料理研究家・管理栄養士の関口絢子さん料理研究家・管理栄養士の関口絢子さん Photo by Wataru Mukai

「細胞の老化」と「血圧の上昇」の予防が期待される成分が含まれる食材とレシピを教えてくれるのは、YouTubeチャンネル登録者数64万人をほこる料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんです。(文/関口絢子)

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見た目と血管に同時に進む
「老化の二重奏」

 鏡に映る自分に「疲れて見える」と感じたり、健康診断で「血圧が少し高めですね」と言われたり──。40代以降のビジネスパーソンにとっては、よくある悩みかもしれません。

 肌のシミやシワ、全身の疲労感といった「見た目の老化」。そして、自覚症状のないまま進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める「血圧上昇」。一見まったく別の問題ですが、両者の背景には共通する原因があります。

 その一つが「酸化ストレス(活性酸素)」です。呼吸で取り込んだ酸素の一部は活性酸素を産生し、強い酸化作用を持つ分子に変化します。通常は体内の抗酸化システムで処理されますが、ストレスや生活習慣の乱れでバランスが崩れると、肌細胞ではシミやシワを進め、血管では細胞を傷つけて硬さを増すことが分かっています(※1)。

 つまり「見た目の疲れ」を感じているとき、体の中では血管の老化も同時に進んでいる可能性があるのです。外見の若々しさは信頼感につながり、血管の健康は長期的なパフォーマンスを支えます。この「老化の二重奏」を放置しないことが、ミドル世代が長く働き続けるうえでの効果的な戦略と言えるでしょう。