ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は28日、ウクライナへの財政・軍事支援を強化すると表明した。欧州が米国に代わり、ロシアとの戦争を続けるウクライナを軍事面で支える主要パートナーになろうとする動きだ。メルツ氏はベルリンでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との共同記者会見を開き、ドイツはウクライナへの軍事支援を「維持・拡大」すると語った。また、両国がロシアへの攻撃を可能にする長距離兵器の製造についての共同プログラムを立ち上げることを明らかにした。メルツ氏は「両国間の新しいかたちの軍産協力の始まりだ。大きなポテンシャルがある」と話した。米国がウクライナ支援にどれほど関与するかについて疑問が高まる中、欧州は米国が抜けた場合の空白を埋めようと懸命になっている。欧州の軍事大国であるフランスと英国は膨大な公的債務と高金利に苦戦しており、支援できる水準に限りがある。