「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

「人は1分間に何m歩く」? 数字に強い人は知っている
たとえばこんなシチュエーションを考えてみましょう。
これは、「基準」を知っていれば即答できる問題です。
数字に強い人の特徴はこうした「基準」をいくつかストックしておき、必要に応じて組み合わせることにあります。逆に数字に弱い人は、「正確に知らなくてはor測らなきゃダメなのでは?」と不安になり、結局まったく覚えないまま、行き当たりばったりで過ごしてしまうかもしれません。もちろん、厳密な数値が求められる場面もありますが、普段の生活やちょっとした判断なら、目安となる数値さえ押さえておけば困ることはあまりありません。
基準を元に、数字をつかむ
人は1分間に80m歩く――この目安を覚えておくだけで、身近な場所の距離や時間をざっくり計測できます。
数字に強い人は、このように「1分80m」といったシンプルな基準を頭に入れておき、何かを測りたいときに素早く当てはめられます。結果、「あと何分かかるか」をすぐに推定でき、無駄な移動や時間のロスを減らしやすくなるわけです。
たとえば新しい家に引っ越したとき、最寄り駅まで歩くのにどれくらい時間がかかるかを測るときも、「駅までの道のりは400mくらいかな? 1分80mだから5分程度だな」とイメージできる。あとは実際に歩いてみて、坂道や信号の有無で多少変動する分を調整するだけです。
もし「距離や時間の見積もりが苦手だな」と感じるなら、ぜひ「1分80m」といった覚えやすい数字をまずは頭に入れておくのはいかがでしょうか。大切なのは、数字を味方につける“基準”を自分のものにすることです。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)