「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

「72の法則」知ってますか?
「72の法則」という言葉、聞いたことはありますか? 「元本が2倍になるのに必要な期間」を手軽に計算できる法則です。
金融機関などで働いている方にとっては常識かもしれませんが、この「72の法則」を知らない人は多いものです。知らなければ、いくら資産運用をしていても「どのくらいのスピードでお金が増えるのか」が想像しにくく、モチベーションが続きにくいかもしれません。逆に、この法則を知っていれば「こんなに時間をかければ、これだけ増えるんだ」というビジョンが持てるため、長期的にコツコツと積み立てる意欲がわいてくるでしょう。
資産運用においては、利回りだけでなく、長い時間が大きな味方になってくれることが計算式からよくわかりますね。
資産運用の「ざっくりイメージ」をする
具体的には「72÷年間利回り(%)=元本が倍になる年数」という計算式で求められます。たとえば利回り4%なら、72÷4=18年。つまり、年4%で運用すれば約18年で資金が2倍になるというわけです。
この計算式のいいところは、非常にシンプルで頭の中だけでもサッとできる点です。たとえば5%なら72÷5=約14.4年、6%なら72÷6=12年といった具合に、利回りの数字を入れるだけですぐに答えが出ます。もちろんこれはあくまでも目安であり、運用成績が一定であると仮定した上での計算ですが、投資や貯蓄の将来像をざっくりイメージするにはとても便利です。
数字を使って「未来」を見る
では、数字に強い人と、弱い人の分かれ目はどこにあるのでしょうか。大きな違いの一つは、「数字を使って未来予測ができるかどうか」です。
数字に弱い人は「難しそう」「計算が苦手」と敬遠しがちです。しかし数字に強い人は、ある程度の目安や法則を知っているだけでなく、その数字を使って将来を見通し、行動につなげる力があります。たとえば「72の法則」を知っていたら、何もしないで預金のままにしておくことが(積極的に運用するよりは)損失につながることに気づきます。貯金していてもほとんどお金は増えません。複利運用の魅力に気づき、より積極的にお金を動かす判断ができることでしょう。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)