「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【149円の品を138個買うと、いくら?】数字に強い人だけが知っている計算法の「すごい中身」Photo: Adobe Stock

「ざっくり計算」を身につけよう

149円の品を138個買ったら、ざっくりいくらになるでしょうか。

ここで数字に弱い人は、すぐに電卓を取り出してしまうと思います。しかし数字に強い人は電卓に頼らずに計算をすることができます。

しかもそのコツは、誰でもカンタンに手に入れられるものです。キーワードは「ざっくり」。今日はそのざっくり計算の方法について、紹介していきましょう。

計算前に数字を「まるめる」

計算をする前に、まずやるべきは数をまるめるテクニックである「四捨五入」や「切り上げ」「切り捨て」などの活用です。

しかし今回の数字の場合は、ちょっとまるめづらいですね。たとえば「149円を100円に、138個を100個に四捨五入」なんて乱暴にまるめるとどうでしょう。100円×100個=1万円。実際の数字とはまるで違う答えが出てしまいます。(2倍以上違いますね。)このように、数を簡単にまるめすぎると、思った以上に大きな誤差が生じることがあるのです。

「まるめた」あとに計算しやすくする

ではここで、次のように数字をまるめてみましょう。

149円を150円に、138個を140個に。

このように比較的近いところで丸めれば、「150円×140個」という計算ができます。ざっくり計算としてだいぶスッキリしましたね。

あとは、かけ算を分解してからやってみましょう。

150×140=150×2×70と分解できますね。これがコツです。

こうすると300×70=21000ですね。つまり21000円です。実際の答えである2万円ちょっと(20,562円)に近い概算結果が得られます。

数字に強い人の頭の中

計算が速い人がパッと頭に浮かぶのは「まあ150円×140個なら2万1000円くらいかな」という計算でしょう。

ここで、1桁目まで計算する必要が本当にあるでしょうか? 学校のテストであれば必要かもしれませんが、実生活ではそんなに重要ではありませんよね。

つまり、数字に強い人は、ざっくりとした方向性だけを先につかみます。何かを決める時に必要なのは、正確な答えではなく、決めるための材料ですから。

しかも、お気づきでしょうか。ここまでほとんど、難しい計算はしていません。四捨五入と、九九をうまく活用する。これだけで、すっかり数字に強くなってしまえるのです!

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)