日本国債の暴落しない特殊な「ハイブリッド・バブル」に、黒田日銀の異次元金融緩和による「日銀買い入れバブル」が重なり、ふたつのバブルがハイブリッド化された真の「ハイブリッド」バブルが始まった。
バブルの上昇局面において、典型的に観察される現象は、「取引量の増大」「保有期間の短縮化」および「価格の変化が激しくなるボラティリティの上昇」である。そして、乱高下が起こる直前には、急激に価格が上昇する局面がある。バブル末期のはじめにみられる典型的現象だ。
この議論を踏まえて現在の日本国債市場を見ると、まさに、バブルの最終局面の始まりといえる。
2012年11月16日に野田佳彦前首相が衆議院を解散し、安倍晋三首相が誕生、黒田東彦氏が日本銀行総裁に就任してから今日に至るまで、国債の価格と金利は乱高下を繰り返している。ついに日本国債も安定したバブルから激しく変動するバブルへと転化した。つまり、暴落しない特殊な「ハイブリッド・バブル」と「日銀買い入れバブル」という、ふたつのバブルがハイブリッド化された、真の「ハイブリッド」バブルの始まりである。
必ず来る日銀の政策転換
今後は、バブルが膨らんだ後、さらなる乱高下を繰り返すという局面が続くと思われる。今後の国債市場の動向は、日銀にすべてがかかっているため、投資家達は、日銀の毎回の政策決定会合に右往左往することになるだろう。
そして、いつか、日銀は政策変更を行う。景気が回復し、物価上昇率が2%になれば、必然的に金融緩和は縮小に向かう。そうなれば、金利は上昇、国債は暴落する。物価上昇率が2%に達しなくても、金融緩和が景気回復への効果を持つのであれば、物価よりも早いタイミングで必ず期待インフレ率が上昇、名目金利が上がるから、国債の暴落は確実に始まる。いや、この暴落シナリオが投資家の間で広がっただけでも、国債市場は乱高下を始める。