「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【9800円のお会計】6人で分けて支払うとき「頭のいい人」はどう割り勘する?Photo: Adobe Stock

9800円、どう割り勘する?

・9800円。6人でどう割り勘する?

まずは、電卓で計算をしてみると思います。9800円のプレゼントを6人で割り勘しようとすると、まず思い浮かぶのは「9800÷6=1633円……」と端数が出ますね。ただ、この場合、小銭が出てくるため、現実的な金額ではありません。無理やりできなくはないですが、手間が多くかかってしまいそうですね。

さらに1633円×6=9798円となり、2円足りません。足りないならということで1円多く、1634円×6=9804円なら4円余ります。正確に計算しようとしたのに、こうした微妙な端数が気になる人も多いことでしょう。もちろん、キャッシュレス決済なら端数を意識しなくて済む場面も増えましたが、キャッシュレス決済を使っていない人もいますし、現金を使うシチュエーションはまだまだあります。

ここで、数字に強い頭の良い人はどう考えるでしょうか。今回はそれについて考えてみましょう。

数字を「わかりやすく」変えてしまう

数字に強い人は、実は、「数字を自分がわかりやすいように、ラクに変換する」という習慣を持っています。

たとえば、「うまく支払える額から探す」という発想です。

まず、6人全員が1500円ずつ出してみましょう。そうすると9000円になります。500円なら、500玉一枚でよさそうですからやりとりも簡単そうですね。そして、足りない800円を誰かが負担する、といった方法です。こうすると小銭のやりとりが少なくなるのが大きなメリットでしょう。年長者がいればその人に多めに支払ってもらうというのもあるかもしれませんね。

ほかにも、ちょっと極端ですが、事前にじゃんけんなどのゲームなどをして「1人だけ支払わない」という発想を取り入れると、割るのが楽になります。たとえば1人につき2000円ずつ徴収すれば5人で合計1万円ですから、9800円の代金を支払って200円のお釣りが出るわけです。それを皆で何かに使うのかは相談次第。キリのよい金額で割り勘できる方法です。6人でドライブに行っていて、運転を1人がずっとしていたとしたら、その人にごちそうするというのもいいですね。

数字を使いこなす人の発想の正体

このように、ちょっとした工夫や発想の転換で、割り勘はずいぶん快適になります。そして、ここで現れる「数字に強い人と弱い人の差」は、単に暗算が速いかどうかだけではありません。数字に強い人は「どのくらい端数が出るか」「小銭を減らすにはどうすればいいか」といった、実用的な視点もあわせ持っています。逆に数字に弱い人は、「とりあえず割り算しよう」といった発想だけになることもあり、手間がかかったり、混乱が生じたりすることも。

ちょっとした飲み会からプレゼント代まで、割り勘の場面は意外と多いものです。こうした日常でもこういった計算を駆使すれば「この人、頭が良い!」なんて言われたりすることもあるかもしれません。

割り勘の方法には正解はありません。ぜひ自分に合った割り勘スタイルを見つけてみてください。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)