ドナルド・トランプ米大統領は今週、労働省労働統計局(BLS)の局長に、保守派エコノミストのE・J・アントニ氏を指名した。同氏はこれまで、トランプ氏が好まない指標が示された際などを中心にBLSのデータや手法を批判してきたことで知られる。アントニ氏は最近、月次の雇用統計の発表を一時停止すべきだと主張していたことが判明。雇用統計は経済や市場にとって、最も重要なデータ発表の一つとなっている。ホワイトハウス当局者は12日、アントニ氏は自身が指名されることを知らされる前にこうした発言をしたと説明し、その内容はBLSの公式な方針を反映したものではないと述べた。アントニ氏の人事案が上院で承認された場合、同氏は約2000人のエコノミストや統計学者などを抱え、141年の歴史を誇るBLSの指揮を執ることになる。BLSは長年にわたって非党派的であることやその独立性で知られ、エコノミストや投資家はこれこそが米国経済データの信頼性にとって重要だと指摘する。