米カリフォルニア州に拠点を置く半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、激化する米中貿易摩擦から、将来手にするであろう巨額の売り上げを守るため、数カ月にわたって米中両国の政府と水面下の交渉を続けてきた。フアン氏はドナルド・トランプ米大統領に対し、米国製チップの中国向け販売を制限すれば、中国の主要テクノロジー企業の自立達成を促し、逆効果になると主張。中国を米国の技術に依存させておくのが得策だと助言した。さらに懐柔策として、米国に最大5000億ドル(約74兆円)を投資すると約束した。フアン氏のこうした主張に加え、世界最大の時価総額を誇る企業が5000億ドルを提供すると申し出たことが、ディール(取引)成立の決め手になったと思われる。
エヌビディアCEO、貿易摩擦をカネの力で切り抜ける
中国市場での巨額利益を守るため、輸出を認めさせるべく水面下でギリギリの攻防
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