筆者は米疾病対策センター(CDC)の所長を29日間務めた。上院はバイアスのかかっていない証拠がわが国の保健医療に役立つようにするために筆者の就任を承認したが、筆者はそれを実践したことで職を失った。米国の子どもたちは、はるかに多くのものを失う恐れがある。筆者がCDC所長になって1週目の8月8日、銃を持った男がCDCのアトランタ本部に向けて発砲した。捜査官らは現場で、500個超の薬きょうと、CDC構内の建物に命中した180発余りの弾丸を回収した。警察官のデービッド・ローズ氏が殺害された。捜査当局は、銃を乱射した男が新型コロナウイルスワクチンへの不満を記した文書を発見しており、犯行動機はワクチンへの不信感だったとみられる。この事件に精神的ショックを受けていた筆者に、何百人ものCDC職員が同じことを言った。「国民の信頼を回復するため、直ちに対策を講じる必要がある」と。これが筆者の知るCDCの在り方、すなわち「自己より奉仕優先」だ。
【寄稿】ロバート・ケネディ・ジュニア、CDCと私
厳しい科学的精査を要求したため就任から1カ月弱で解任された筆者
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