米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は23日、先週利下げを決めた後もFRBの金利スタンスは「依然として適度に引き締め的」だとの認識を示した。インフレ悪化より最近の労働市場の減速の方が影響が大きいとする当局者の見方が変わらない場合、年内に追加利下げを実施する余地があることを示唆した。パウエル氏はロードアイランド州プロビデンスでの講演原稿で、先週の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で示した見解をおおむね繰り返した。FRBがインフレの低位安定と健全な労働市場の促進という二つの使命を果たす上で課題に直面していると強調した。「両面のリスクがあるということは、リスクのない道筋が存在しないということだ」と述べた。利下げの規模とペースが行き過ぎた場合、物価上昇率はFRBが目標とする2%よりも3%に近い水準で推移し続ける可能性があると指摘。その一方で、引き締め的な政策スタンスを維持する期間が長過ぎた場合、労働市場を不必要に軟化させる恐れがあると述べた。
FRB議長、金利「適度に引き締め的」 利下げに含み
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