米国にはフェンタニルやコカインといった違法薬物への需要があり、それらを密輸する複雑なシステムの発達を促している。密輸入業者はグラスファイバー製の高速艇や、ステルス性の高い「麻薬密輸用潜水艇(ナルコサブ)」、貨物船などあらゆる手段を駆使し、船荷を押収されたり、運び屋が捕まったりすることなく、利用者に薬物を届けようとしている。米麻薬取り締まり当局によると、密輸入業者は通常、数十年に及ぶ経験を生かし、米国や中南米・カリブ海域の同盟国の一歩先を行っているという。米国とメキシコの当局者によると、米国人が消費する違法薬物の中でも特に危険とされる合成麻薬フェンタニルは、通常は麻薬組織「シナロア・カルテル」などに雇われた米国市民の「運び屋」が正式な入国地点を経由して少量を持ち込んでいる。アリゾナ州ノガレスは米国有数のフェンタニル回廊となっており、乗用車やトラックなどの輸送手段で運ばれる。
図でみる麻薬密輸ネットワーク 中南米から米国へ
麻薬運搬船の疑いがあれば爆破するというトランプ氏の戦略には課題も
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