バフェット氏、株主へ「最後の手紙」 9つの注目点バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット会長兼CEO(昨年11月)
Photo: Vincent Tullo for WSJ

 投資会社バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット会長兼最高経営責任者(CEO)(95)は、毎年恒例の感謝祭の手紙を「私は『静かになる』つもりだ。ある意味で」という言葉で始めた。

 同氏は今後も毎年、3人の子どもと株主宛ての感謝祭メッセージは書き続けるが、グレッグ・アベル氏が今年末にCEOに就任した後は、バークシャーの株主への手紙を書くことはなくなる。

 10日に公表された幅広い内容の手紙で、バフェット氏は自身の逸話やビジネス・人生の教訓を織り交ぜながら、慈善寄付とCEOの報酬に関する新たな計画も明かした。

 注目点は以下の通り。

自身の状態について:おおむね体調は良好だが、加齢によるバランス感覚、視力、聴力、記憶力への影響を感じているという。「動きが遅くなり、読書もますます困難になっているが、週5日オフィスに出勤し、素晴らしい人たちと働いている」

慈善活動について:同氏は約13億ドル相当の株式を転換し、四つの家族財団に寄付した。

バークシャーについて:子どもたちの財団への慈善寄付を加速させているにもかかわらず、バークシャーに対する楽観的な見通しは変わっていないという。同氏は株主が次期CEOに安心感を抱くようになるまで、同社の「相当量」のクラスA株を保有し続ける。「信頼がそうしたレベルに達するまで長くはかからないはずだ」としている。

後継計画について:同氏はアベル氏について次のように書いた。「彼は優れた経営者であり、たゆまぬ努力家で、誠実なコミュニケーターだ。長期在任を願っている…私の希望は彼の健康が何十年も続くことだ。少し運が良ければ、バークシャーは今後1世紀にわたって5~6人のCEOしか必要としないはずだ」