バフェット氏の銘柄選定の実績により、バークシャーは反発をほとんど受けることなく独自路線を歩むことができている Photo:Vincent Tullo for WSJ
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、バークシャー・ハサウェイの最高経営責任者(CEO)としての任期がまだ2カ月残っている。だが同社の株価は、既に彼の不在を感じているような動きとなっている。
95歳のバフェット氏は5月に開かれたバークシャーの株主総会で、今年末にCEO職を自ら選んだ後継者のグレッグ・アベル氏に引き継ぐ計画を明らかにし、投資家に衝撃を与えた。
この継承計画はまた、バークシャーウオッチャーらが大切にしてきた幾つかの伝統に大きな変化をもたらす。彼らの多くはビジネスや投資に関するバフェット氏の名言を金科玉条のように扱っている。バフェット氏のアシスタントがウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対して確認したところによれば、アベル氏はバークシャー株主への年1回の書簡執筆を引き継ぐとともに、ネブラスカ州オマハで開かれるバークシャーの年次株主総会を主導する。来年からは、会長職にとどまるバフェット氏は、同社の他の取締役たちと共に席に座ることになる。
バフェット氏の退任には、特にバークシャー株主にとって重要な、もう一つの影響があり、それは既に起きている。バークシャーは「バフェットプレミアム」を失いつつある。バフェットプレミアムとは、長年にわたり会長兼CEOを務めてきたバフェット氏の存在のおかげで、バークシャー株を保有するために投資家が払うのをいとわない割高な価格のことだ。







