横浜市や仙台市が順位を落とす
前年注目の「反動」か
一方で、上位常連であっても、今回は評価の基準が変わった地域が見られた。
横浜市は前年4位から19位(42.3点)、仙台市は前年10位から28位(39.5点)へと順位を落とした。
いずれも観光資源そのものが弱くなったわけではなく、一時的な話題が落ち着き、評価が平常に戻ったことが要因とみられる。
田中社長は、「市区町村は、都道府県よりもその年の露出度や話題の影響を受けやすい。前年に注目を集めた地域ほど、その反動で順位が下がるケースがある」と説明する。
離島エリアでも変化があった。宮古島市は前年8位から11位(45.2点)、石垣市は前年7位から23位(40.7点)と順位を落としている。旅行費の上昇や移動負担が意識され、訪問を控える動きが広がったと考えられる。
一方で、屋久島町は前年19位から12位(45.1点)へ上昇している。直行便は限られているが、大勢の人が押し寄せるタイプの観光地ではないからこそ、「自然の中で静かに過ごしたい」というニーズに合い、支持を集めたといえる。
「行きたい街」として選ばれる条件は?
2025年のランキングが示した傾向
2025年の市区町村ランキングでは、上位の地域ほど「旅のイメージが浮かびやすい」という特徴がみられた。
「市区町村は、得られる情報が限られる。そのため、写真や口コミ、ドラマや映画、アニメなどを通じて、その場所の雰囲気がどれだけ伝わるかがポイントになる」と田中社長。
旅行スタイルが多様化し、長期滞在だけでなく短い休暇旅、テーマを決めた旅、自然だけを求める旅など、「この地域なら何を楽しめるか」が明確な地域ほど、訪れる候補に入りやすくなる。
これから旅行計画を立てる人にとっても、それぞれの市区町村が持つ魅力の違いが、目的地を選ぶうえで重要な判断材料となるだろう。
>>観光で行きたい都道府県ランキング2025【完全版】を読む
(フリーライター 西嶋治美)







