上位は北海道の3都市が独占
札幌市・函館市・小樽市の3強は揺るがず
2025年の「観光で行きたい市区町村ランキング」は、1位札幌市(54.7点)、2位函館市(52.8点)、3位小樽市(50.5点)となり、今年も北海道の3都市が上位を占めた。
北海道の主要都市が揃って支持される背景には、観光資源の豊富さだけでなく、街としての受け入れ体制が評価されていることにある。
札幌市はジンギスカンやラーメン、白い恋人など、北海道の名物が揃う街としての存在感が強く、函館市は夜景や朝市、海鮮のイメージが定着している。小樽市は運河沿いの街並みや、スイーツのブランド力も高い。
ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「人気が定着している市区町村ほど、観光客が抱く街のイメージが明確で、旅行計画が立てやすい。つまり、旅行のしやすさがランキングに影響している」と話す。
ただし今年は、インバウンド増加による宿泊費の上昇や混雑の影響もあり、多くの上位市区町村がポイントを減らす結果となった。人気が高い地域ほど、旅行環境の変化が数字に表れやすいといえそうだ。
鎌倉市・箱根町・軽井沢町がトップ10入り
「歩いて楽しむ」首都圏近郊が高評価
今年のランキングで目を引くのが、鎌倉市・箱根町・軽井沢町の首都圏近郊エリアが、揃ってトップ10入りしたことだ。
鎌倉市は前年16位から5位(49.5点)へランクアップした。歴史ある寺社だけでなく、海沿いエリアやカフェ巡りなど、楽しみ方の多様化が支持につながった。
箱根町は前年15位から7位(47.7点)へと順位を上げた。美術館や宿泊施設のリニューアルが続き、温泉だけではない過ごし方が評価されている。
軽井沢町も前年17位から8位(46.2点)に上昇。ワーケーションや短期滞在の増加を背景に、「数日だけでも自然の中でリセットできる場所」として選ばれている。
田中社長は、「いずれの地域も、短い滞在でも満足度を得やすい環境が整っている」と分析する。







