*コーヒー
少し前と比べると、コーヒー好きの女性は増えたように思う。コーヒーか紅茶を選ぶ場面でも紅茶が人気ものだった。
古いドラマでの初めてのデートの場面。男が女を家まで送る。家の前でさよならを言わなければならない。しかし、2人はまだ一緒にいたい。そんな時、女が「コーヒーでも飲んでいく?」などと聞く。
本当はコーヒーなどどうでもいいのだが。そして、ドラマではあるのかもしれないが、実際は家にコーヒーがない場合がほとんどであった。
喫茶店でコーヒーを残す女性も多くいた。特にデートの女性。たぶん男性がコーヒーを注文し、なんとなく「私も」と言ってしまった。そこで気づく。「私ってコーヒー好きだっけ?」。飲んでみる。苦いだけだ。ミルクティがよかった。
ところが、おしゃれなカフェが街に増え、コーヒーを楽しめる場も増えた。自然とコーヒーに接する機会も増え、苦いとだけ思っていたコーヒーも飲み慣れてきて、おいしく思える人が増えた。コーヒーを飲む時間を楽しんでいる。
問題はコーヒーの飲み方だ。コーヒーをきれいに飲む人はまだ少ない。美人は上手だ。何が上手かと言えば目線である。
美人はコーヒーを飲む瞬間の目線が程よい。近すぎず、遠すぎず。つまり、カップの中を見るようにしながら飲んだり、意味無く遠いところを見たりしない。テーブルやや前方を見ながら飲む。おいしそうにちょっとうなずく感じである。
近すぎる目線の人はなぜか鼻の穴がふくらみ、びっくりしたような顔になっている。遠くは自然と顎が上がりいやいや飲んでいるようだ。おいしくないのか。そして、目線が下手な人は、ズルズルと音が出ていることが多い。コーヒーはすすらないようにしたい。
さらに姿勢。まっすぐ向き合って背筋が伸びているととても美しく見える。しかし、猫背になる人が多い。カップを口元まで持ってくるのが面倒なのだろうか。なぜか猫背飲みはカラダがテーブルに対して斜めであることが多い。それでは「美人のもと」は消えていく。だが、それも目線を意識するだけで修正される。
目線正しく、おいしくいただく。すると「美人のもと」は増えるはずである。