笑顔の女性写真はイメージです Photo:PIXTA

「今日は暖かいですね」――誰もが口にする無難な天気の話題ですが、ここで会話を終わらせてしまう人は、大きなチャンスを逃しているかもしれません。職場の雑談は「とりあえず場を持たせればいい」と思われがちですが、感じが良くて頭もいい人は、このありふれた挨拶を逆手に取り、相手の心を一瞬で掴む武器に変えています。単なる天気の話を、圧倒的な好印象と信頼関係に直結させるために彼らが付け足す“たった一言”とは?(文/心理学者・立正大学客員教授 内藤誼人)

中身がない話を逆手に取る
頭のいい人の戦略

「今日は暖かいですね」は、当たり障りがない天気の話題の中でも安全で、気分が明るくなる挨拶です。話しかけられた人が「で、何を返せばいいんだろう」と困ることもなく、空気を和らげることができるからです。だからこそ、多くの人はここで会話を終わらせてしまいます。

 ところが、感じがよくて頭もいい人は、この安全な一言をその場つなぎの手段で終わらせず、相手との距離を縮めるきっかけに変えています。

 私たちが言葉を発するとき、相手に伝えるのは字面どおりの意味だけでなく、話し手の姿勢や人柄まで滲み出る部分があります。

 天気の話は内容が薄いので、情報量が非常に少ないのが特徴です。その特徴を利用して、頭のいい人は天気の話に一言を付け加えることで、自分の印象を上げることに成功しています。

 もし「話しやすい人だな」「配慮がある人だな」と感じさせれば、その後の会話や仕事までスムーズに進みやすくなります。また、自分を強く印象づけたことで、想起されやすい状態をつくっておけば、新規プロジェクトのメンバーとして声がかかりやすくなtたりすることもあるでしょう。ビジネスパーソンとして、チャンスを広げることにもつながるのですから、積極的に実践すべきでしょう。

 付け足す一言を考えるうえで有効なのが、次の2つの型です。どちらも難しいことはなく、「今日は暖かいですね」という事実に、ほんの一文足すだけです。たったそれだけで、会話の空気がやさしく動き出します。