◆明日からの景色がガラリと変わる驚きの視点
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)
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「幸せになりたい」と願うほど不幸になるジレンマ
今日は、「幸せになりたいと思えば思うほど、不幸になってしまう」というお話をします。世の中には幸福論などの本もたくさんあり、多くの人が「どうしたら幸せになれるのか」と考えています。しかし、あまりにも幸せを追求しすぎると、かえってジレンマに陥ることがあるため、思い詰めすぎるのはよくありません。
私はいつも、幸せとは「今という時間をいかに大事にして味わうか」ということに尽きるとお伝えしています。しかし、「幸せになりたい」というのは「なりたい」ですから、未来の話なんですね。未来のこと、つまり先のことを考えると、大抵の人は不安になります。
未来は誰にもわからないため、色々な可能性を考えて準備しなければならず、結果として「今」のことは考えられなくなってしまいます。つまり、「幸せになりたい」と思えば思うほど、未来のネガティブな要素を思いつきやすくなり、その考え方でいる限りは幸せにはなれないのです。
「幸せになりたい」は現状の否定
また、「幸せになりたい」という思いは、ある意味で現状の否定でもあります。「今は幸せではない」という認識から出発し、将来のことを考え、不安に対処しようとあれこれ頑張る。その状態では、永遠に幸せを感じることはできません。
さらに、「こうでなければ幸せではない」という強い思い込みや執着、未来に対する過度な期待も、幸せを遠ざける原因となります。一番大切な「今」をおろそかにして、不安になりやすい将来ばかり見ている状態では、いろいろな意味で幸せになれるはずがないのです。
幸せは「今」にしか作れない
ではどうすればいいかというと、すべてその逆をやれば良いのです。幸せは「今」にしか作れないため、今この瞬間を幸せにする必要があります。とはいえ、純粋に「今この瞬間」だけを意識し続けるのは哲学のようで少し難しいので、「今日1日の中でどうやって楽しみを作るか」を考えてみてください。
たとえば、どうしてもやらなければならない嫌なことがあっても、その中で少し面白い工夫をしてみたり、自分にご褒美を用意したりしてみましょう。「今日は疲れそうだから、終わったら自分にこれを買ってあげよう」といった具合ですね。
このように、今という時間を取りこぼさないように味わうことが何よりも大切です。幸せになりたいと焦っている人は、たいていこれと逆のことをしてしまっています。
「幸せの条件」を「今を楽しむための目標」に変える
幸せになりたいという気持ちを一度取っ払った方が、結果的に幸せになれます。そこで、「あなたが今考えている幸せとは何か」を一度見つめ直してみてください。お金持ちになる、素敵な人と結婚するなど、いろいろと出てくると思います。
それらを見つけたら、それを絶対条件として捉えるのをやめましょう。1つくらいに絞った上で、「単純に今の自分を楽しくするための目標」として認識を変えるのです。
「こうならなければ幸せになれない」と思い詰めると苦しくなります。しかし、「こうなったらいいな」という目標に切り替えれば、そこに至るまでの手順が見えてきて、「今日やること」が決まります。これが非常に重要なのです。
目標は「今を充実させるため」にある
私は、将来の目標とは「達成するため」というよりも、「今を充実させるため」にあると考えています。何の目標もない状態で、ただ「今日この瞬間を楽しもう」とするのは、あるがままを受け入れる仏教の修行のようで少しハードルが高いものです。
しかし、「将来こうなったら嬉しいな」という目標を見つけ、そこに向けて必要なステップを細かく分けていけば、「今日はこれをやったら少し夢に近づけた」という楽しさを得ることができます。つまり、今日やるべきことを見つけ、それが明るい未来に繋がっているという実感を得るためにこそ、目標は存在するのです。その結果として目標を達成できたら、それはそれでまた楽しいですよね。
執着を手放し、今日1日を味わう
逆に、「絶対にこうでなければならない」と幸せを定義づけてしまうと、それに至るまではずっと「今はまだ幸せではない」ということになり、将来を見張ることになって焦りと不安が生まれてしまいます。
たとえば、「結婚する」ということを幸せの条件ではなく、「目標」として設定したとします。「目標のために、今日はとりあえず婚活アプリに登録してみよう。登録できたぞ、なんだか面白いな。いきなり『いいね』が来たぞ!」といった具合に、今日の課題をクリアしていく。それだけで未来への繋がりと希望が持てる。その状態を楽しむだけで十分なのです。
結果がどうなるかは、やってみないとわかりませんから。このように、「幸せになりたい」と強く願うのではなく、「それは私にとっての目標である」と、少し視点をずらしてみてください。似ているようで、大きく違います。
目標があるからこそ、今日やることがあって輝いていられるし、いろいろな夢を見ることができます。そして何より「今日が楽しい」と思えるようになります。だから、今日という日を忘れないようにしてくださいね。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。






