何か決めるとき「あの人の顔」が浮かんだら危険信号!
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】離れるだけで人生が好転する…あなたの人生を狂わす“エネルギー泥棒”の特徴Photo: Adobe Stock

離れるだけで人生が好転する「エネルギー泥棒」

今日は、離れるだけで人生が好転する人たち、名付けて「エネルギー泥棒」についてお話しします。一緒にいるだけで他人の精神的なエネルギーや気力を無意識に奪い、疲弊させるエナジーバンパイアのことですね。

医学的な定義があるわけではありませんが、やはり「離れたほうが元気になる人」というのは存在します。近寄ると自分らしさを失い、元気も時間も奪われてしまう。そういったタイプの人です。

こういう人に近づくと、知らないうちに利用されたり、言いたいことが言えなくなったりして、人生がなかなか好転しなくなってしまいます。今日は、こうした人たちに気をつけましょうというお話です。

「自分軸」と「他人軸」で考えるとわかりやすい

では、具体的にどういう人がエネルギー泥棒なのか? これを理解するには、自分軸という観点から考えると非常にわかりやすくなります。

自分軸とは自分が納得して決めたことを選び、行動すること。人生の選択肢を「自分の納得」を基準に決める生き方
他人軸とは:自分が納得していないのに、他人の顔色が先に浮かんで行動してしまうこと。「嫌われたくない」「馬鹿にされたくない」「浮くのが怖い」といった理由で、他人の評価を優先してしまう生き方

他人軸の辛いところは、常に誰かの顔色をうかがい、コントロールできない他人の感情を見張り続けることになるため、いつも不安がつきまとう点です。さらに、自分の時間が奪われ、立場的にも相手の下になってしまうという、あまり良いことのない事態に陥ってしまいます。

一方で「自分軸」で生きると、もし失敗しても「自分で決めたことだから」と後悔しにくく、次への切り替えが早くなります。うまくいけば「自分で決めて達成できた」という自己効力感も得られます。

エネルギー泥棒の正体=「自分軸を奪う人」

ここで他人軸の話を思い出してみてください。何か行動しようとした時、真っ先に「あの人の顔色」が頭に浮かびませんか? 実は、その「頭に浮かんでくる相手」こそが、エネルギー泥棒である可能性が高いのです。

典型的な例が「毒親」と呼ばれる存在です。本来、子どもの人生は子ども自身が決めるべきものです。しかし毒親は、子どもをまるで自分の所有物のように扱い、「ああしろ、こうしろ」と口を挟んできます。これは、親子の距離感や「自他境界線(バウンダリー)」が正しく機能していない状態です。

子どもが親の言葉を聞き流せればよいのですが、真に受けて「言うことを聞かなきゃ」と思ってしまうと、常に親の顔色をうかがう「他人軸」の状態になります。頭の中がその人のことでいっぱいになってしまうのです。

「あなたのため」と言いながら境界線を越えてくる

エネルギー泥棒と一緒にいると、こんなふうに感じます。

「自分の考えがわからなくなる」
「自分の気持ちが後回しになる」
「自分で決めるべきことに口出しをされる」

エネルギー泥棒は、言動の端々にその兆候を現します。

「私が決めることじゃないのに、指図してくる」
「それはおかしいと否定してくる」
「『あなたのためを思って言うけれど』という言葉を使ってコントロールしようとする」

そっと距離を置くことがおすすめ

本来、大人の人間関係において、他人が決めるべき領域に土足で踏み込むことはありません。まともな人は私はこう思うけれど、決めるのはあなただよと、ちゃんと境界線を守ってくれます。「みんなこう言ってるよ」「恥ずかしいからやめなさい」といった言葉で、あなたの決断を阻害し、自分軸を奪っていくのが彼らの手口です。

この人といると、自分で自分のことが決められなくなる――そう気づいたら、それはエネルギー泥棒のサインです。あなたの人生を取り戻すためにも、そっと距離を置くことをおすすめします。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。