仕事が続かない人がハマる「期待の罠」と抜け出す方法
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
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仕事が続かない最大の原因は「過度な期待」
今日は、「仕事を長く続けるためのコツ」についてお話したいと思います。実は仕事が続かない人にはある共通のパターンがあります。それは「自分や環境に対する期待が大きすぎる」ということです。
新しい仕事を始めるとき、多くの人は「心機一転」という気持ちになります。「前の職場ではうまくいかなかったけれど、今度は失敗しないようにしよう」「今度こそ長く続けたい」と願うはずです。
これは「希望」なのですが、多くの人はこれを「期待」と混同してしまいます。「自分はもっとできるはずだ」という自分への期待、そして「今度の職場は人間関係が良いはずだ」という環境への期待です。しかし、人間は「期待」をすると、それが裏切られたときに大きく落ち込んでしまう生き物です。
期待するということは、「うまくいくかどうかを常に見張っている状態」であり、うまくいかなかった瞬間にがっかりするメカニズムが出来上がってしまっているのです。これでは、スタート時点から精神的に不利な状況を作ってしまっています。
「前の職場とは違うはず」と思わないこと
まず、環境への期待をなるべく手放しましょう。「新しい職場だから、前の職場のような問題は起きないはずだ」とは考えないほうが良いです。むしろ、「同じような問題が起きる可能性のほうが高い」と考えるのが安全です。
例えば、以前の職場に理不尽な人や嫌な人がいたとします。残念ながら、そういう人はどこにでもいますし、最初は良くても後から入ってくる可能性もあります。
「また同じようなことが起きるかもしれない」と最初から思っておけば、実際に嫌なことがあったときに「ああ、やっぱりね」と受け止めることができます。逆に「今度こそは良い環境なはず」と期待しすぎていると、問題が起きたときに「またダメだった」と絶望し、自己肯定感が下がって辞めてしまう原因になります。
最初は「モブキャラ」に徹して、60~70%の力で
次に、自分への期待についてです。新しい職場に入ると、新入りの自分を認めてもらうために「頑張れる自分」を見せたくなりますよね。
しかし、最初に頑張りすぎてしまうと、それが「あなたの当たり前」として周囲に認識されてしまいます。無理をして作った高いレベルを基準に仕事が回り始めると、どこかで必ず息切れしてしまいます。これが、ゴールデンウィーク明けに調子を崩す「5月病」の正体でもあります。
ですから、入社して最初のうちは、良い意味でも悪い意味でも目立たない「モブキャラ」のような存在を目指してください。自分ができる力のすべてを出そうとせず、60~70%くらいの力でぼちぼちと馴染んでいくのがコツです。
最初は「普通の人が来たな」「あまり印象に残らないな」と思われるくらいで丁度いいのです。慣れてきてから徐々に実力を発揮していけば、「意外とこの人、しっかりしてるな」と後から評価が上がります。最初に期待させて後から失速するよりも、ずっと自分も楽ですし、周囲の印象も良くなります。
仕事は「マラソン」、全速力で走らない
仕事が続かない人は、うまくいかなかった原因を「すべて自分の責任」だと思い込みがちです。「私がちゃんとやらなかったからダメだったんだ」と反省しすぎると、「次はもっと頑張らなきゃ」と自分を追い込んでしまいます。
しかし、仕事は短距離走ではなく、「マラソン」と同じです。最初から全力疾走したら、誰だってすぐに倒れてしまいます。
長く走り続けるためには、ゆったりとしたペースで、周りの景色を楽しんだり、隣の人とおしゃべりしたりするくらいの余裕が必要です。「これならいつまでも走っていられるな」というペース配分こそが、仕事を長く続ける秘訣です。
「ぼちぼち」を合言葉に
正社員だからといって「バリバリ」やる必要はありません。まずは「クビにならない程度でいいや」くらいの低いハードルを設定してください。
●頑張りすぎない
●ぼちぼちやる
これを合言葉にしましょう。「ぼちぼち」であっても、長く続けていれば結果として定着できます。少しがっかりされることがあっても気にせず、まずは「長持ちさせること」を最優先にしてくださいね。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。






