スタートアップのバイブルとして名高い『起業のファイナンス』シリーズの最新刊として、『起業のコーポレート業務』が発売されました。オフィスの探し方や社会保険への加入、PR、反社対応、M&A・IPO準備など、総務・経理・労務・法務とEXITに関する全てをカバーする「スタートアップの実務大全」とも言える1冊で、スタートアップ以外の企業のコーポレート部門の人にも大いに役立つ内容となっています。
この連載では、主に同書の「コラム」を公開していきます。第13回は「有給休暇」についてです。

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有給休暇に関する注意点

「働き方改革」という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。昔は激務のイメージの強かったスタートアップもその影響により、労働環境の改善は大幅に進んでおり、有給休暇が取得しやすくなっています。

 本コラムでは、有給休暇について勘違いされていることを含め、いくつか注意点を挙げておきます。

①一定の条件を満たしたアルバイト・パートには有給休暇の付与が必要

 有給休暇は正社員にのみ付与すればよいと勘違いされがちですが、厚生労働省の年次有給休暇制度についてによると、

 ・6か月以上、勤務を継続していること
 ・所定労働日の8割以上は出勤していること

 という一定の条件をクリアすれば、アルバイトやパートなどの雇用形態にかかわらず、有給休暇を付与する必要があります。

 条件を満たしているにもかかわらず、会社の都合やミスで付与しなかった場合は労働基準法違反となり、罰則が発生してしまうため注意が必要です。

②6か月以内に休暇を取る場合は原則欠勤

 有給休暇は「休んでも給与が発生する」のですが、入社して6か月以内は原則として取得できず、無給休暇扱いになります。対応手段としては、分割付与について就業規則等で規定する方法があります。

 分割付与は、入社初年度の有給休暇について、入社日から6か月経過日よりも前に、本来基準日に付与される有給休暇の日数のうち、一部を分割して付与し、基準日にはその残りの日数を付与することです。

 たとえば、4月1日に入社した従業員について、入社日に3日の有給休暇を分割付与し、法定の基準日である10月1日には、10日から3日を差し引いた、残りの7日を付与する、といった形です。

③年10日以上の有給休暇を付与されている労働者は年5日の年休取得が義務

 2019年4月から施行された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」により、基準日(有給休暇を付与した日)を起点として、年次有給休暇が10日以上付与される労働者を対象として、最低でも年間5日の有給休暇取得が義務付けられることになりました。

 ①に記載した通り、もちろんアルバイト・パートも対象になります。

 詳細は厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「年5日の年次有給休暇の確実な取得」を参照してください。