スタートアップのバイブルとして名高い『起業のファイナンス』シリーズの最新刊として、『起業のコーポレート業務』が発売されました。オフィスの探し方や社会保険への加入、PR、反社対応、M&A・IPO準備など、総務・経理・労務・法務とEXITに関する全てをカバーする「スタートアップの実務大全」とも言える1冊で、スタートアップ以外の企業のコーポレート部門の人にも大いに役立つ内容となっています。
この連載では、主に同書の「コラム」を公開していきます。第9回は「スタートアップの新規事業」についてです。
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新規事業こそ、早期に採算性を検証する
最初の事業が軌道に乗ったスタートアップが、早々に次の事業を立ち上げたり、最初から複数の事業立ち上げにチャレンジすることがここ数年で増えてきています。
スタートアップ企業の中でも特に、複数の事業領域や技術を組み合わせ、相乗効果を生み出すことで急成長を目指す企業はコンパウンドスタートアップと呼ばれています。従来のスタートアップがひとつのプロダクトに集中するのに対し、コンパウンドスタートアップは複数の事業を平行して運営するため、リスク分散と機会創出の両方を図ることができます。
新規事業立ち上げの際、ビジネスサイドのみで話が進んでしまい、コーポレート部門(特に経理)に情報がなかなか来なかったり、来たとしても断片的な情報であったりすると、管理面での対応が後手に回ることがあります。
新規事業こそ、早期に採算性を検証することが必要です。事業を立ち上げた瞬間に財務情報を正確に把握できるような体制を意識して構築しましょう。
コーポレート部門側から積極的に情報を取りに行くのにも限界があるので、経営陣(CFOがいればCFO)は意識的に、新規事業の事務フローを組み立てる段階でコーポレート部門(経理担当者+事務部門等)を検討チームに参画させて、
- ・請求フロー:抜け漏れなく請求できるか、現場の過度な負担にならないかを検証
- ・経理処理:会計上適切か、セグメント別損益の構築
- ・課金体系:コーポレート部門が導入先のサービスの場合、「自社で導入したいか? 導入したい場合はどんな料金水準/体系が望ましいか」などを検証
していくことが理想です。



