スタートアップのバイブルとして名高い『起業のファイナンス』シリーズの最新刊として、『起業のコーポレート業務』が発売されました。オフィスの探し方や社会保険への加入、PR、反社対応、M&A・IPO準備など、総務・経理・労務・法務とEXITに関する全てをカバーする「スタートアップの実務大全」とも言える1冊で、スタートアップ以外の企業のコーポレート部門の人にも大いに役立つ内容となっています。
この連載では、主に同書の「コラム」を公開していきます。第11回は「リファラル採用」についてです。
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リファラル制度の法務・税務
リファラル制度を設計する際には法務・税務面に気をつけないといけません。
法律を厳格に解釈すれば、職安法36条及び40条との関係で、就業規則や雇用契約書に「業務として募集活動を行っている」ということを明記しておく必要があり、また、リファラルボーナスは賃金、給与その他これらに準ずるものとして支給するように設計しておく必要があります。業務として行っていると言えない場合には委託募集に該当し、厚生労働大臣の許可が必要になり、違反した場合には罰則が科せられます。
また、リファラル採用は「引き抜き」と紙一重なところがあり、常軌を逸した引き抜きは違法になる点に留意が必要です。次のような判決事例も出ています。
複数の従業員に違法な引き抜き工作をしたとして、デロイトトーマツコンサルティングが競業他社に移籍した元幹部に、計約1億2千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、「社会的相当性を逸脱した背信的な引き抜き行為」とし、約5千万円の支払いを命じた。
判決によると、デロイト社の業務執行社員だった元幹部は2018年に退職した後、現在のEYストラテジー・アンド・コンサルティングに移籍。部下ら複数の従業員もその後EY社に移った。
元幹部側は「移籍の事実を告げただけで、勧誘していない」と主張したが、沢村智子裁判長は、部下らに移籍後の構想を説明し、EY社での勤務条件についても部下らの代わりに同社と交渉するなど、積極的な働き掛けがあったと指摘した。また、内部情報を外部に伝えて批判的な記事の掲載に協力するなどし「一連の行為はデロイト社の事業に悪影響を及ぼすために行われたもので、違法だ」と結論付けた。
判決はデロイト社の引き抜き禁止条項に基づき、損害額を算定。退職金の一部についても返金すべきだとした。
出所:共同通信社「従業員引き抜き、賠償命令 デロイト元幹部に東京地裁」
判決によると、デロイト社の業務執行社員だった元幹部は2018年に退職した後、現在のEYストラテジー・アンド・コンサルティングに移籍。部下ら複数の従業員もその後EY社に移った。
元幹部側は「移籍の事実を告げただけで、勧誘していない」と主張したが、沢村智子裁判長は、部下らに移籍後の構想を説明し、EY社での勤務条件についても部下らの代わりに同社と交渉するなど、積極的な働き掛けがあったと指摘した。また、内部情報を外部に伝えて批判的な記事の掲載に協力するなどし「一連の行為はデロイト社の事業に悪影響を及ぼすために行われたもので、違法だ」と結論付けた。
判決はデロイト社の引き抜き禁止条項に基づき、損害額を算定。退職金の一部についても返金すべきだとした。
出所:共同通信社「従業員引き抜き、賠償命令 デロイト元幹部に東京地裁」
税務面では、リファラル制度の対価として現金を支給する場合は、50万円が目安になります。一時所得で課税処理として支給しますが、特別控除額が適用可能で、50万円以内であれば非課税と同じ扱いになります。



