「悩む時間が激減した」「仕事のキャパが10倍になった」
そんな感想が届いているのが、木下勝寿氏のベストセラーだ。なかでもニトリの似鳥会長や食べチョク秋元代表から「ビジネスパーソンが一番読むべき一冊」と絶賛されている本が『時間最短化、成果最大化の法則』である。本書をもとに、ライターの樺山美夏氏が「サンクコストにふりまわされる人の特徴」についてレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

「サンクコスト」にふりまわされる人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

超音速旅客機「コンコルド」の悲劇

50年以上前に、英仏が共同開発した超音速旅客機「コンコルド」をご存じだろうか。

ニューヨークとロンドン間をわずか3時間半で結ぶ夢の機体だった。
しかし、開発が進むにつれて採算が取れないことが明らかに。
だが、「ここまで投じた費用が無駄になる」という理由だけで赤字とわかりながら27年間も運航を続け、約4000億円の開発費を回収できないまま2003年に全機退役したのだ。

コンコルドの例は、人間がいかに過去に執着するかということを象徴している。
ビジネス現場でも、「すでに投じたコストが惜しくて撤退を先送りにする」「あそこまで頑張ってきたプロジェクトだからあきらめられない」と、過去のコストを判断の根拠にして、失敗を積み重ねていくケースはめずらしくない。

「サンクコスト」にふりまわされる人の特徴

経済学にはこれを指す「サンクコスト(埋没費用)」という言葉がある。
合理的な意思決定の原則は、過去のコストを無視して「これからどうなるか」だけを見なければいけない。
しかし人間は感情に流されやすい生き物だ。

木下勝寿氏のベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則』では、この罠を断ち切り、最短で成果を出すための思考法がわかりやすく解き明かされている。

著者は、過去のしがらみを捨てて急成長を可能にする思考法を次のように示している。

サンクコスト(埋没費用)にふりまわされてはいけない。
サンクコストとは、過去に払ってしまい、もはや取り戻すことができない費用だが、将来の意思決定をする際、サンクコストは考えずに、今後の損益だけを考えるのが合理的な判断となる。

「今までやってきたから」というだけで現事業に固執する必要はない。
単に「現事業をやめてピボットする」というと、とてもドライに聞こえるかもしれない。

でも、事業とは、世の中に価値を提供することだから、「自分が最も世の中に価値を与えられる事業にシフトしたほうが世のためだ」と考えてみる。
(中略)
お客様に一番喜んでもらえる仕事に自分の力を集中する。
「常にゼロベースで考える」という「思考アルゴリズム」をインストールし、常にこう問い続けよう。

「今のやり方が最も世の中に価値を提供できていると言えるのか。もしかしたら、もっと大きな価値を提供できる別の方法があるのではないか」

――『時間最短化、成果最大化の法則』より

ゼロリセットの問いを立てる

正しい判断を下す必要があるときは、自問自答してみよう。

「自分が完全にゼロから始めるとしたら、またこの事業をゼロから立ち上げるか」

答えが「NO」であれば、過去に投じたコストとは無関係に撤退したほうがいいだろう。

「もったいない」という感情を手放し、ゼロリセットの問いを立てることで、本当に世の中に価値を提供できる仕事に集中できるのだ。