「仕事のキャパが10倍になった」「悩む時間が圧倒的に減った」
そんな感想が届いているのが、木下勝寿氏のベストセラーだ。
今回はニトリの似鳥会長や食べチョク秋元代表から「ビジネスパーソンが一番読むべき一冊」と絶賛されている『時間最短化、成果最大化の法則』をもとに、「上司の口癖」について、ライターの樺山美夏氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

「昔はこれで勝てた」が口癖上司のあるあるワースト1Photo: Adobe Stock

友人の話で驚いたこと

最近、友人から聞いた話に驚いた。
彼女の息子は今年、食品メーカーに就職した。会社はデジタル化を推進しているが、彼の直属の上司だけが古い価値観の持ち主で困っているというのだ。

部署で生成AIを活用しようと提案すると、「そんなわけのわからないものに頼ったら思考力が落ちる。セキュリティも心配だ」と一蹴。
業務効率化のためにクラウドツールへの移行を持ちかけると、「今まで問題なかったんだから変える必要はない」と却下されるという。
「その上司は悪い人じゃないし、仕事への熱意も実績もあるみたいなの。ただ、自分が積み上げてきたやり方を変えることに、異常な拒否反応を示すらしくて。息子が最近よく愚痴っているんだよね」とその友人は話していた。

問題はその上司だけではなかった。
AIを使いこなせるチームメンバーが、異動や転職を希望するようになったというのだ。

写真の撮り方を変えただけで、売上が爆発した話

本書にはこの話を逆転させたエピソードが出てくる。
「武器を入れ替える」ことがいかに大きな変化をもたらすか、木下さん自身の経験談で示しているのだ。

私がネット通販を始めた頃、それまでは大いに期待されたが、なかなかうまくいかなかった。
さまざまな理由があるが、大きな理由の一つとして「写真」に問題があった。

紙媒体主体の通販会社は、これまでどおりのやり方で写真を掲載していた。当時はカニの全体の姿を写し、背景に波しぶきの加工を入れるのが定番だった。

だが、なかなかセールスにはつながらなかった。大手紙通販会社の販売サイトのつくり方は「ギフトカタログ」だった。「おいしそう」な写真ではなく、「高級感が伝わる」「スペックがわかる」ような写真だった。

一方、私は素人ながら「おいしそうに見えるにはどう撮ればいいか」と、ゆでたてのカニから湯気が立ちのぼる写真や、まさに口に入れようとする瞬間の写真などをネットに掲載した。

先入観や前例がなかったので、ユーザー視点でベストと思われる方法を考え、実行した。結果的に私の撮る写真は「ギフトカタログ」ではなく飲食店の「メニュー」のような写真になった。それがお客様の心に響き、購入につながった。

私が百戦錬磨の大手紙通販の人たちにこの話をすると、「その発想はなかった」と言われた。共通していたのは、先入観や前例がなかったので、ユーザー視点のベストを考え続けたことだ。


それを今、私自身はまた下の世代に感じる。
つまり、戦い方は常に最新型に変えていく必要があるということだ。

――『時間最短化、成果最大化の法則』より

問題の本質とは?

「おいしそうに見えるにはどう撮ればいいか」。
そう思って調べて、写真の撮り方を変えただけで売上が変わった。
武器の入れ替えが、結果を劇的に変えることは、ビジネスの現場ではめずらしくない話だ。

友人の娘の上司が問題なのは、能力でも意欲でもない。
木下さんの言葉を借りれば、変化の激しい時代だからこそ「戦い方は常に最新型に変えていく必要がある」ことに気づいていないのが問題なのだ。

もしも心当たりがある人は、若手に新しい戦い方を相談してみてはいかがだろうか。