「仕事のキャパが10倍になった」「悩む時間が圧倒的に減った」
そんな感想が届いているのが、木下勝寿氏のベストセラーだ。
なかでも「【ピッパの法則】が使える!」という感動の声とともに、ニトリ似鳥会長や食べチョク秋元代表から「ビジネスパーソンが一番読むべき一冊」と絶賛されている本がある。『時間最短化、成果最大化の法則』だ。今回はライターの樺山美夏氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

「30代で経営者」という目的から逆算したら、就活の答えが真逆になった話Photo: Adobe Stock

34歳で経営者になり大成功した話

34歳でヘッドハンティングされて経営者になり、大成功している人に話を聞く機会があった。

その男性は、大学時代に大企業への内定を目指して就活セミナーに何十万円も投じたが、最終面接で落ちまくり内定は1社だけ。誰もが知る外資系の大企業だったが、そこには入社しなかったという。

彼には「30代半ばまでに経営者になり、日本をよりよくしたい」という目的があり、大企業に就職しても20代のうちに辞めると決めていた。

その目的から逆算すると、必ずしも大企業で働く必要はないと考え直し、まったく別の選択肢を選んだのだ。

なぜ大企業ではなくベンチャーを?

その経営者が就職先として選んだのは、成長が加速しているベンチャー企業だった。

SNSで社長に直接アプローチし、新規事業に携われること、裁量を持たせてもらえることを確認して、内定を即承諾したという。

周囲からは「なぜ大企業の内定を蹴るのか」と驚かれたらしいが、彼の頭の中には、明確な逆算思考があったと教えてくれた。

「30代半ばまでに経営者になるには、20代のうちに実績と意思決定経験を積み、経営者感覚で働く必要があります。大企業では10年以上かかりそうだけど、裁量のある中小企業なら3年で成長できるんです」

実際、入社1年で営業トップになり、2年目は新規事業の実績を積んで、3年目にリーダーに。その後、ハイキャリア転職を重ねて、経営者の座についたのだ。

就活で何十万円もかけて大企業の内定を取りにいく人は、「大企業に就職する」という手段が目的になっている。
しかし、彼の目的は「30代半ばまでに経営者になる」と明確だった。

「原因解消思考」と「最終目的逆算思考」の違い

本書はこの発想の違いを「原因解消思考」と「最終目的逆算思考」で区別している。

X・Y・Zの3人が、岩などの障害物がある道の先にあるゴールに24時間以内に辿り着けば100万円もらえるゲームに挑戦する寓話を通じて、2つの思考回路の決定的な差を描き出している。

目標達成において、多くの人は目の前の障害を取り除こうとする「原因解消思考」に陥りがちだ。
寓話に登場するXさんとYさんは、道を塞ぐ岩を前に「岩を動かせない原因」に目を向けた。

Xさんは岩を動かす筋力が足りないと考えて筋トレに励んだ。
Yさんは仲間と岩を動かそうとしたがうまくいかず、リーダーシップ不足が原因と考え、リーダーシップのセミナー通いに多大なお金と時間を費やしてしまう。
結果的に、2人とも制限時間内にゴールに到着できなかった。

ところが、Zさんは「24時間以内にゴールする」という本来の最終目的にフォーカスする「最終目的逆算思考」を用いた。

この思考法には、成功者の例に学ぶ「着眼法」と何が課題かを洗い出す「苦情法」の2つがある。


そこで、Zさんはこの2つを岩を動かすのではなく「アルバイトで稼いだ3万円でヘリコプターをチャーターし、空から一気にゴールへ向かう」という最短かつ最も簡単なルートを探し出した。

目の前の壁を乗り越えること自体が目的化してしまうと、無駄な試行錯誤を繰り返すことになる。
本当に向かうべきゴールを特定し、そこから逆算して最適な手段を探る「最終目的逆算思考」こそが、最短ルートで成果を最大化する鍵なのだ。
――『時間最短化、成果最大化の法則』の解説より要約

原因解消思考で、「なぜうまくいかないか」を問い続けるだけでは、手段が目的化してしまい、「こんなはずじゃなかった」となる可能性が大きい。
最終目的から逆算して行動すれば、失敗も目的に近づくための学びになるのだ。

(本記事は、『時間最短化、成果最大化の法則』に関する特別投稿です。)