こうした仕組みの中にいる限り、休みは自分のものではなく、与えられたものになってしまいます。
では、どのようにすれば主体的に休めるのでしょうか。
「真っ黒なカレンダーが欲しい」
逆転の発想から休みが生まれる
あるお客様との出会いが、その答えを教えてくれました。
あるとき、「真っ黒なカレンダーが欲しい」と依頼を受けたのです。
土日や祝日が色づけされていない、日付と曜日だけがわかるカレンダーが欲しいというものでした。
話を聞くと、そのお客様は「なぜ休みを決められなければいけないのか」と言いました。
彼にとって、休みは固定されたものではなく、状況に応じて決めるものです。
市販のものでは見つからず、手づくりすることになりました。
成果を出し続ける人は、休むタイミングを人とずらします。
「人と違うときに休む」ことを意識しているのです。
彼らは「みんなが働いているときこそ、自分が整うチャンス」ととらえ、自分の仕事の流れや体調、集中の波を把握し、それに合わせて休みを設計しています。
勝負どころだと思えば週休ゼロで働き、成果が見えにくい時期には思いきって休む。
つまり、休みを“与えられるもの”ではなく“選びとるもの”として扱い、良いパフォーマンスを発揮できるかどうかを基準にして、休みを取っているのです。
休み方をカレンダーではなく、自分の感覚で決める。
そこに、主体性があるのです。
出勤も休みも「ずらす」と
満足度に差が出てくる
私が知っている経営者や大富豪の中には、他にも「ずらし休み」を上手に取り入れている人が多くいました。
たとえば、一般的な連休の翌週に休みを取り、街が落ち着いたタイミングでリフレッシュする。
ホテルも静かで、観光地も混まない。
人の流れが穏やかな分、心も整いやすく、同じ1日の休みでも満足度がまったく違います。
また、ある経営者は、連休中にあえて出社されていました。
オフィスには誰もおらず、電話も鳴らない。
その静けさの中で、普段は手を付けられない構想を練ったり、資料を整理したりするそうです。
「誰も動いていない時間ほど、集中できる環境はない」と、話していたのが印象的でした。
また別の人は、世の中が動いている平日に休みを取っています。
人が多い時期を避けて旅行をすれば、静かな環境で過ごせ、出費も抑えられます。
人混みの中で消耗することなく、自分のペースで1日を過ごせる。
結果的に、心身の回復度がまったく違うのです。
『なぜかいつも上手くいく人の休みの使い方』(新井直之、あさ出版)
あるお客様は、毎年8月15日から末日までハワイで過ごすと決めています。
あらかじめ年間スケジュールに休暇を組み込み、それを前提に仕事の計画を立てるのです。
休みを軸にすることで、仕事に振り回されることがなくなります。
大切なのは固定観念を手放し、自分の心身がもっとも良い状態を保てるリズムを自分で決めることです。
そのためには、カレンダーではなく、自分の体調と仕事の流れを基準にして休みを考えることが必要です。
与えられた休みではなく、自分で選ぶ休みこそが、真に能動的な働き方につながるのです。







