エストニアは今年に入って2万人近い生徒に無料のチャットボットを配布した
【タリン(エストニア)】バルト3国の一つで人口130万人のエストニアが、10年生と11年生(高校1年生と2年生に相当)の全員に、学校で使うための「チャットGPT」のアカウントを配布した。
この実験の結果がどうなるかは誰にも分からない。
エストニアは人工知能(AI)革命の初期段階で、大半の高校生が学校の勉強をチャットボットに押し付けていたことに気付いた。同国はこの新技術を禁止するのではなく、いちかばちかの一見逆説的な介入に乗り出した。今年に入って2万人近い生徒に無料のチャットボットを配布し、教育方法の見直しを進めている。
エストニアが取り組んでいる問いは、学術機関と職場に共通する普遍的なものだ。それは、AI時代において、人間がどの程度まで思考すべきか、そして人間のAI依存をいかにして防ぐかというものだ。
タリン市にあるペルグリンナ公立高校の英語教師アグネ・コスク氏は、チャットボットと人間の意思疎通を組み合わせようとしている。ある課題では、英小説家メアリー・シェリーが「フランケンシュタイン」の着想を得た1816年の夕食会の出席者役をチャットGPTに演じさせた。生徒たちはその「出席者」と会話した上で、どのように感じたかをクラスで議論した。別の課題では、コスク氏は生徒に対し、授業で小論文を紙に書き、AIを使ってそれを改善しつつ、元の手書きの原稿も提出するよう求めた。
タリン市内にあるキリスト教系の私立高校セントジョンズ・スクールは、授業の進め方の「反転」を試みている。授業であるテーマを取り上げ、それに関する練習問題を宿題として与えるのではなく、チャットボットを使って新たなテーマを探究することを宿題にし、それを授業中に議論する。







