管理職になると、「いい上司になりたい」「部下から信頼されたい」と考える人は多い。しかし、その思いが強いにもかかわらず、なぜか部下が育たず、チームの成果も伸びない管理職がいる。一方で、厳しいように見えても、部下が着実に成長し、高い成果を出し続ける管理職もいる。その違いは、能力や経験だけではない。本稿では、管理職になる人が見落としがちなある考え方を紹介する。

「無能すぎる管理職」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「能力の高い上司」と思われたいと思っている

部下を持つと、能力の高いできる上司と思われたいと思うものです。
でも、その気持ちが強すぎると、判断を誤ることがあります。

「優しい上司」が部下の成長を止める

たとえば、必要以上に優しく指導してしまう。
「これ、難しいから手伝うよ」と言って、結局ほとんど自分でやってしまう
「失敗すると○○課長から叱られると思うから、今回は代わりにやっておいた」

部下からの評価は高いかもしれません。
「あの上司、優しいな」、「頼りになるな」と思われるでしょう。
でも、それで部下は成長できるでしょうか?

自分で判断する機会を奪われ、失敗から学ぶチャンスも失われます。
結果的に、部下の判断力や行動力を磨くことはできません。

リーダーの判断軸は「できる上司」ではない

リーダーの判断軸は、「能力の高いできる上司と思われたい」ではないのです。
本当に大事なのは、部下を成長させつつ、どれだけチームの目標を達成できるか、なのです。

「優しい上司」より「部下を育てる上司」。
「何でもやってくれる上司」より「任せてくれる上司」。

時には厳しく指導し、時には失敗させる勇気を持つことが大切です。

「嫌われる勇気」が部下を育てる

ある製造業のリーダーは、新人に難しい業務を任せました。
周囲からは「まだ早いんじゃないか」という声もありましたが、リーダーは「失敗してもフォローするから、やってみて」と任せました。

案の定、新人はミスをしました。
でも、リーダーは叱らず、「どこで判断を間違えたか、一緒に考えよう」と振り返りの時間を作りました。

その新人は、その経験から多くを学び、半年後には他の新人を指導できるまでに成長しました。

部下を成長させながら、チームの目標を達成していく。
それがリーダーの役割です。

(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)