まれな遺伝性疾患を抱えるルカ・フナロさん(32)は、6月にフランスの首都パリが記録的な熱波に見舞われる中、エアコンがない自宅アパートで耐え難い暑さに苦しんだ。隣人たちがエアコンの設置を許可しないのだ。隣人たちは、パリ中心部の活気あふれるマレ地区にある建物の中庭にエアコンの室外機を設置するというフナロさんの要求を拒否している。作動音がうるさすぎるというのがその理由だ。車椅子を使用し、人工呼吸器で生活しているフナロさんは、隣人たちを提訴した。法廷闘争は2年以上続いており、家族は数千ドルを費やしている。「暑すぎると、障害者は脱水症状になり、呼吸も困難になる」とフナロさんは語った。欧州では長い間、エアコンが敬遠されてきた。騒音を伴い、建築的な景観を損ね、そして何より夏が穏やかである限りは不要だと考えられてきたからだ。エネルギーを大量消費するこの技術が広く普及すれば、気候変動との闘いを主導するという自らの野心的な取り組みが揺らぎかねないと懸念されていた。