「勉強しなさい」と何度声をかけても、子どもは気づけばスマホを手に取り、なかなか勉強に集中しない。そんな歯がゆい思いを抱えていませんか。500万ダウンロードを突破し、中学生や高校生にも愛用者の多いアプリ「集中」の開発者・戸田大介さんに「勉強の集中力を高める秘訣」を聞きました。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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勉強が続くかどうかは、環境で変わる
――500万人以上に利用されているアプリ「集中」の開発を通じて、勉強に集中できる人には、どんな共通点があると感じていますか。
戸田大介(以下、戸田):集中が得意な人は、「意識」でなく「環境」を変えようとする傾向にあります。
「よし、やるぞ!」と決意しただけで、人の行動が変わることは、ほとんどありません。
例えば、「スマホを見る代わりに勉強する」と誰かに宣言したり、「家に帰ったらスマホを見ない」とルールを決めたりしても、スマホ時間を減らす効果はほとんどありません。
なぜなら、宣言やルールを決めても、スマホがすぐ手に取れる状況そのものは何も変わっていないからです。
たとえば、目の前においしそうなケーキが置かれていたら、「食べるな」と言われても、ずっと我慢し続けるのは難しいですよね。
スマホも同じです。動画やSNSアプリは、開けばすぐに快楽が得られるよう設計されています。いつでも簡単にアクセスできる状態で、「我慢しなさい」と言われても、大人でもかなり難しいことです。
人の行動は、「意志」よりも、「置かれた状況」の影響を強く受けます。だからこそ、意志の力に頼るより、勉強に集中しやすい環境を整えるほうが、行動は変わりやすいのです。
今日からできる「3つの工夫」
――著書の『脱スマホ術』の中では、集中力を高めるための色々な工夫が紹介されていますが、いくつかおすすめの方法を教えていただけないでしょうか。
戸田:まずは、SNSや動画アプリをつい見すぎてしまう状況を減らすことから始めるといいと思います。すぐにできる方法を、いくつか紹介します。
まず効果的なのが、動画アプリの自動再生をオフにすることです。
自動再生がオンだと、一つの動画を見終えると、次の動画が勝手に始まります。一方、オフなら、自分で次の動画を選ばなければ続きは始まりません。
ほんの小さな違いに思えるかもしれませんが、それだけで「ここでやめよう」と立ち止まるきっかけが生まれます。実際、自動再生をオフにしただけで、Netflixの利用時間が1日約21分減ったという調査もあります。
次におすすめなのは、勉強中はスマホを別の部屋に置くことです。
「スマホを見ないように頑張る」のではなく、「視界に入らない状態」にしてしまう。とてもシンプルな方法ですが、これだけでも集中力はかなり変わります。
さらに、スマホの設定でアプリの利用時間に制限をかけるのも効果があります。ただし、厳しすぎる利用時間の制限は逆効果になることもあるので気を付けてほしいです。
例えば、毎日何時間もSNSを見ている人が、いきなり「1日10分」という非現実的な制限をかけると、解除ボタンを押すこと自体が習慣になってしまうことがあります。
無理のない範囲で制限をかけるほうが、長期的にはスマホ時間を減らすのに効果的です。
小さな環境の変化が、大きな成果につながる
――親ができることは意外と多いですね。
戸田:そうですね。ほかにも色々な方法があり、『脱スマホ術』の中で紹介したので、ぜひそちらも参考にしていただけたら嬉しいです。また、これらの方法は、子どもに限らず、大人でもスマホ時間を減らしたいという方に効果的なので、ぜひ試してみてください。
人は意志だけで、自分の行動をコントロールできるほど強くありません。それは子どもだけではなく、大人も同じです。
だからこそ、「スマホを見てないで勉強しなさい」と何度も言うより、集中力を奪う要因を減らし、机に向かいやすい環境を整えることのほうが、ずっと効果的です。
もちろん、毎日思った通りにうまくいくとは限りません。誰だって、ついスマホを見すぎてしまう日はあります。ですが、1日うまくいかなかったからといって、「もうダメだ」と考える必要はありません。翌日からまた、勉強しやすい環境を整え直せばいいのです。
アプリ「集中」は、中高生から社会人まで幅広い方が利用されています。その中には、「第一志望に合格しました」「司法試験に合格しました」といった報告をくださる方もいます。集中しやすい環境を整え、それを毎日積み重ねることが、目標の達成につながるのだと感じています。
子どものやる気を毎日コントロールすることはできません。しかし、勉強しやすい環境を整えることはできます。「勉強しなさい」と言い続けるよりも、机に向かいやすくなる環境を整える。それが、子どもの毎日の過ごし方を変え、やがて大きな成果につながるのだと思います。
(この記事は、『脱スマホ術――「何もせず1日が終わった」がなくなる』の著者戸田大介氏へのインタビューです)








