「早く勉強しなさい!」と声をかけても、隙あらばスマホを触る我が子。試験前や受験期でも一向に机に向かわない時、親はどうアプローチすればいいのでしょうか。500万ダウンロードを突破し、中学生や高校生にも愛用者の多いアプリ「集中」の開発者・戸田大介さんは「誰にでも机に向かえる瞬間がある」と断言します。「自発的な勉強を促す秘訣」を聞きました。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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誰にでも机に向かえる瞬間がある
――試験前の大切な時期なのに、子どもは家で何時間もスマホを見ている。そんな姿に、ヤキモキして、「勉強しなさい」と声をかけるのですが、なかなか机に向かってくれません。
戸田大介(以下、戸田):「勉強しなさい!」と口酸っぱく叱って勉強するようになることは、ほとんどないと思います。
「机に向かえる環境」を整えることしか、根本的な解決方法はありません。これは勉強に限らず、人間の行動は「本人のやる気や意志」ではなく、周囲の環境によって決まるからです。
――どうすれば、勉強する環境を作れるのでしょうか。
戸田:どれほど普段勉強のモチベーションが低い子どもであっても、夏休みの最終日だけは、必死になって机に向かい、宿題を片付けようとしますよね。
なぜ、あの一瞬だけは必死になって机に向かえるのか。理由は単純で、「やらなければいけない締め切り」がすぐ目の前に差し迫っているからです。
逆に言えば、普段勉強できないのは、意志が弱いからというより、「明確な締め切りがないまま、ダラダラと時間が流れていってしまう環境」にいるからなのです。
タイマーを使って、ダラダラと流れる時間に区切りを入れる
――夏休みの最終日は、年に1日しかありません。あの状態を普段の1日で再現できるのでしょうか?
戸田:最も簡単で効果的な方法が、「タイマーを設定する」ことです。
10分のタイマーをスタートして、「この10分だけ勉強する」と机に向かうのです。
「9:59」「9:58」「9:57」……、刻一刻と時間が減っていくのを見ているだけで、人間の脳は「締め切り効果」を感じ、自然と勉強に取りかかりやすくなります。
このように言うと、「それは自分で勝手に作った架空の締め切りだから、効果がないのでは?」と思うかもしれません。
しかし実は人間の脳は、「現実の締め切り」と「架空の締め切り」を区別するのが非常に苦手なのです。
たとえば、ホラー映画を観るときのことを思い出してみてください。頭では「ゾンビなんて現実にはいるわけがない」と分かっているのですが、画面にゾンビが現れると、私たちは思わず「うわっ!」と恐怖を感じます。
単に気持ちの問題だけでなく、実際に瞳孔が開いたり、冷や汗をかいたりといった、体の反応として現れます。「架空のもの」であっても、心や体が大きな影響を受けるのです。
この脳の錯覚を利用するのがタイマーです。タイマーを設定して、架空の締め切りを目の前に置くだけで、それまで感じなかった緊迫感を覚え、集中力が生まれます。
「子どもがスマホばかり見て、なかなか机に向かわない……」と困っていたら、ぜひ一度この方法を試してみてください。かなり多くの人が、想像以上の効果を実感しています。
(この記事は、『脱スマホ術――「何もせず1日が終わった」がなくなる』の著者戸田大介氏へのインタビューです)








