世界経済は突如、ペルシャ湾、紅海、黒海という3方面から同時にエネルギー供給が脅かされる事態となっている。世界は石油備蓄がここ数年で最低水準に落ち込む中で、こうした混乱に突入する。中東の紛争は今週さらに拡大した。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、紅海の南の玄関口であるバベルマンデブ海峡からタンカーを引き返させたのだ。ホルムズ海峡が封鎖されて以降、サウジアラビア産石油の主たる迂回(うかい)・輸出ルートとなっていた要衝バベルマンデブ海峡は、イラン戦争開始前には世界の海上石油輸送量の約12%を占めていた。もう一つの混乱要因は、ウクライナが黒海におけるロシアのエネルギーインフラと船舶への攻撃を続けていることだ。ロシアの石油輸出の約3分の1を担うノボロシースク港近海への集中攻撃により、ロシア産およびカザフスタン産石油を黒海へ運ぶパイプラインの流れが一時停止している。