米下院の貿易監視委員会は、米国の全貿易関連法規を網羅した法令集を維持管理している。1400ページを超えるこの文書は、貿易専門家や弁護士の間で権威ある参考資料となっている。10年前、ベテランの貿易問題専門弁護士ジョン・ベロノー氏は、1930年制定の悪名高き関税法第338条がこの法令集に含まれていないことに気づいた。同条項は、米国に対して差別的な扱いを行う国に関税を課す権限を認めるものだ。ベロノー氏がこの点を指摘した際、委員会のスタッフは「まさか、すでに廃止されているのでは?」と述べたという。だが、廃止はされていなかった。そして今週、ドナルド・トランプ米大統領は制定から約1世紀の歴史の中で初めてこの条項を適用し、カナダに50%の関税を課すと表明した。