お金持ちになれる人の【共通点】と【落とし穴】とは? そのヒントをくれるのが、お金についての考え方を変える斬新なフレームワーク『THE WEALTH LADDER 富の階段 ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』だ。50年以上、数万世帯のファイナンス情報から導き出された本書をもとに、老後の不労所得を得る方法について、ライターの前田浩弥氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

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「就職氷河期世代」が投資の波に乗り遅れた理由

「なんか会社の若い子たちがみんな投資をして儲けているらしいんだよ。うらやましいけど、今さら投資を始めても遅いよなぁ……」

 先日、大学時代の先輩と久しぶりに飲んだとき、先輩がこんなことを漏らしていた。

 先輩は40代後半の、いわゆる就職氷河期世代だ。
 なんとか新卒で希望の職に就くことができたのだが、体調を崩して1年経たずに会社を辞めてしまった。

 休養後、しばらく派遣社員として働く中で、幸いにも派遣された先で正社員として登用され、その会社で働き続けている。

 先輩の事例はおそらくレアケースで、先輩自身も「運がよかった」と語っている。
 いくらやむを得ない事情があれど、いったん非正規雇用として働き始めてしまうと、その後に正社員へ転職するのはかなり難しい時代だったからだ。

 就職氷河期世代は、仮に正社員として就職できたとしても、前後の世代に比べて初任給は低く抑えられ、その後も賃金の伸び悩みに常にさらされてきた。

 20代、30代の頃は日々の生活に追われ、資産形成へと目を向ける金銭的余裕がそもそもなかった。
 加えて、バブル崩壊の影響が色濃く残る中で、「投資より預金」と刷り込まれて育ってきた。
 気がつけば「預金より投資」の波に乗り遅れ、「若い頃から投資をしている人との差は、もう埋められないよなぁ……」とこぼすのも無理はない。

6段階の「富の階段」を登っていく

 しかし、『THE WEALTH LADDER 富の階段』(ニック・マジューリ著/児島修訳)は、先輩をはじめとする「投資の波に乗り遅れた就職氷河期世代」に、「今からでも遅くはない」と勇気を与えてくれる一冊だ。

 投資では「できるだけ長く市場に居続けることが重要(そのためには早く投資を始め、買い続けることが重要)」であると説くとともに、「自分の資産レベルを把握し、そのレベルを1段1段、階段を登るように着実に上げていくことが大切だ」とも語っている。

『THE WEALTH LADDER 富の階段』では、資産レベルを次の6つに分けている。

 レベル1 資産1万ドル未満
 レベル2 資産1万ドル~10万ドル未満
 レベル3 資産10万ドル~100万ドル未満
 レベル4 資産100万ドル~1000万ドル未満
 レベル5 資産1000万ドル~1億ドル未満
 レベル6 資産1億ドル~

 著者のニック・マジューリは、これを「富の階段」と呼んでいる。

ズバリ本書の目標とは何か?
それは、あなたが富の階段を登り、より良い人生を歩むのを助けることだ。

――『THE WEALTH LADDER 富の階段』より

「資産レベル3」を目標に

「富の階段」を登り始めるのに、どんな年齢でも「遅すぎる」ということはない。

 たとえば50歳から投資を始めるとする。定年までは15年の猶予がある。
 はじめのうちは、投資に関する資産レベルは「1」かもしれない。
 しかし仮に、年間100万円を投資に回せる家計をつくれているのであれば、1年半で資産レベルは「2」に到達する。そして定年を迎える頃には、資産レベル「3」も現実的なものとなっている。

 若い頃から投資をしていた人にはかなわないかもしれないが、資産レベル「3」にまで上がれば、資産運用のリターンが十分に見込める状態になる。

 50歳は決して遅いスタートではない。
 資産形成は、「自分が今どの階段に立っているか」を知ることから始まる。まわりと自分を比べるのではなく、1段ずつ階段を登る。
『THE WEALTH LADDER 富の階段』は、不遇に苛まれた世代にこそ刺さる「シンプルな考え方」を教えてくれる。