「睡眠時間を削って自分の時間を増やしたい!」そんなふうにショートスリーパーに憧れたことはありませんか? 巷には短眠メソッドが溢れていますが、精神科医の立場からお伝えすると、そこには大きな危険が潜んでいます。そもそも短眠は努力で身につくものなのでしょうか? メンタルと睡眠の深い関係性から、眠れない夜の「意外な対処法」まで、心と体を守る正しい睡眠との付き合い方をひも解きます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。
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ショートスリーパーの是非
今日は「ショートスリーパーの是非」について、精神科医としての立場からお話ししたいと思います。
巷には「ショートスリーパーになりましょう」「睡眠時間を削って時間を有効活用しましょう」といった提案が溢れているようですが、これには注意が必要です。
ショートスリーパーとは?
一般的な平均睡眠時間は7~8時間と言われていますが、世の中には2~3時間の睡眠で十分なパフォーマンスを発揮できる「ショートスリーパー」と呼ばれる人たちがいます。反対に、9~10時間眠らないと調子が出ない「ロングスリーパー」の方もいらっしゃいます。
標準よりはるかに少ない睡眠時間でも心身が落ち着いており、「昔からずっと2~3時間しか寝ていません」というショートスリーパーの方は、確かに存在します。
本物のショートスリーパーは「生まれつきの体質」です
私の身近にも、非常に優秀なスタッフでショートスリーパーの方がいます。どんな無茶振りをしても器用に対応してくれる、頼りになる方なのですが、毎日夜の11時に寝て、朝の3時頃には起きているそうです。
それでも日中に寝不足を感じることはなく、むしろ非常に高いパフォーマンスを発揮しています。
しかし、こういった方々は「もともとそういう体質」なのです。無理をして睡眠時間を削っているわけではなく、自然なサイクルとして2~3時間で十分なだけなのです。
睡眠時間を無理に削るのは大変危険です
もしあなたが普段6~8時間寝ていて、「ショートスリーパーに憧れるから睡眠時間を短くしよう」と考えているなら、絶対にやってはいけません。はっきり申し上げて、大変危険です。
睡眠には、脳の神経細胞やシナプスのゴミを掃除するなど、非常に重要な役割があります。きちんと睡眠をとることが認知症予防につながるというエビデンスも出てきていますし、まだ解明されていない重要な機能が数多くあるはずです。
睡眠制限の実験でも、無理に睡眠を削ると幻覚を見たり錯乱状態に陥ったり、最悪の場合は命に関わる事態になることがわかっています。自分の体が必要としている睡眠時間を、後天的な努力で無理やり短くすることは基本的にはできないと考えてください。



