「定年退職した後はどうしよう」「老後資金は足りるだろうか」――。40代、50代を迎えると、目の前の仕事だけでなく、どうしても「その先」の生活に対する不安が頭をよぎるようになります。しかし、多くの人が考える老後の不安対策は「投資や貯蓄に励む」「生活費を切り詰める」といった、お金や生存のためのアプローチに終始しがちです。だが本当に必要なのは、老後という時間を「どう生きるか」の精神的な羅針盤を持つこと。書籍『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』と話題の一冊から、人生を激変させる3つの質問を紹介し、不安を根底から解消する方法を考えます。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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いくら貯めても消えない不安の「正体」とは?
老後資金の不安を抱え、必死にマネープランを練っているビジネスパーソンは多いです。
しかし、銀行口座の残高がいくら増えようとも、心の奥底にある「言葉にできない焦燥感」が消えることはありません。
なぜなら、その不安の本質は、会社という看板や役割を失った後、自分が「何者として生きればいいのか分からない」というアイデンティティの喪失にあるからです。
つまり、「生きる手段」の準備ばかりに気を取られ、「生きる目的」を完全に見失っている状態なのです。
この暗闇から抜け出すために、私たちはどのような羅針盤を持つべきでしょうか。
世界的なベストセラーである『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』には、人生の後半を自分の足で力強く歩むためのヒントが描かれています。
それは、ある不思議なカフェに掲げられた、客に問いかけるにはあまりにも突飛な「3つの質問」に向き合うことです。
「あなたは死を恐れるか?」
「あなたは満たされているか?」
――『世界の果てのカフェ』より
「自分主導の人生」へシフトする
最初の問い「なぜここにいるのか?」とは、あなたが今なぜその場所に存在しているのか、という存在理由を尋ねています。
一見、哲学的で難解な問いに思えますが、これらをただの「教養」として終わらせるか、人生の主導権を取り戻す武器にするかは、あなた自身にかかっています。
本書のウェイトレスであるケイシーは、この問いが持つ本当の力について、このように語っています。
――『世界の果てのカフェ』より
老後資金をいくら貯めても不安が消えないのは、生きる目的を「生存を維持すること」だけに置いているからです。
定年後の不安の本質は、お金の不足ではなく、自分の存在意義の不足です。
会社という守られた環境から一歩外に出た時、私たちは何の肩書もない一人の人間に戻ります。
その時、この「3つの問い」を自問自答し、内なる自分と深く対話できている人は、他人の評価や世間の常識に振り回されることなく、自律的に豊かな時間を築き上げることができます。
自分の存在意義を知り、そこに向けて歩んでいる人は、外部の環境や年齢に関わらず、常に満たされた時間を過ごすことができます。
他者の期待や社会の「常識」という波に適応するだけの生き方をやめ、3つの問いを自問自答すること。
そうすることで、自分の手で人生後半の舵を握ることができるようになります。
老後の不安を打ち消すのは、銀行の残高ではなく、自分自身の「存在理由」を自覚できているかどうかなのです。




