カナダを最も必要とする米自動車業界Photo:Bill Pugliano/gettyimages

 米国と隣国カナダとの間で再燃した貿易戦争は今週、ドナルド・トランプ米大統領が「われわれにはカナダは必要ない。カナダの方がわれわれを必要としている」と宣言したことで最高潮に達した。

 しかし、米自動車業界の見方は異なる。

 特にデトロイトの自動車メーカーは、トランプ氏がカナダから輸入される自動車や自動車部品の関税を現行の25%から 2倍の50%に引き上げるとの脅し を実行に移した場合、最も収益性が高い製品の一部が打撃を受ける可能性がある。

 ステランティス は国境をまたいですぐのカナダ・オンタリオ州ウィンザーで、「クライスラー」ブランドの人気ミニバン「パシフィカ」を組み立てている。 ゼネラル・モーターズ(GM) は同州オシャワの工場でピックアップトラックを生産している。 フォード・モーター はピックアップトラック「Fシリーズ スーパーデューティー」の生産を、米ケンタッキー州の工場に加え、年内にカナダ・トロントに近いオークビルの工場でも始める予定だ。また、フォードとGMはそれぞれ、米国内で販売されるトラック、SUV(スポーツ用多目的車)向けのエンジンをカナダで生産している。

 業界データ提供会社オムディアによると、米国にとって2番目に大きな貿易相手国であるカナダは、2025年の北米自動車生産の8%を占めた。メキシコや米国に雇用や生産が移転されたことで、この比率は10年前の約13%から低下しているが、カナダは依然、自動車および自動車部品の重要な製造国であり、もちろん購入国でもある。カナダは米国製大型トラックの最大輸出市場だ。