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パナソニック ホールディングスは1.2万人の人員削減や住宅設備・車載機器事業の切り離しで構造改革に区切りを付け、AI向けデータセンターの蓄電システムと電子材料を新たな成長軸に据える。今期の営業利益は過去最高に迫る5500億円を見込み、時価総額は6月に初めて10兆円を突破した。では、同社の世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#34では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内ランクを独自に試算した。その結果、若手の社員が勝ち組となる一方、OB世代が割を食う構図となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
1万2000人削減で構造改革に区切り?
AIインフラで「40年停滞」脱却へ
パナソニック ホールディングス(HD)は、日本を代表する総合電機メーカーでありながら、長期にわたって成長の足踏みが続いてきた。連結営業利益は1984年度に記録した5757億円を40年以上更新できず、事業の選択と集中で先行したソニーグループや日立製作所に、収益力と企業価値で差をつけられてきた。
ところが、足元では市場の評価が変わっているように見える。株価は上場来高値を更新し、6月には時価総額が初めて10兆円を突破した。背景にあるのが、大規模な構造改革と、人工知能(AI)インフラ関連事業への成長期待だ。
2026年3月期は、間接・営業部門の集約や拠点の統廃合などによって、グループ全体の人員を1万2000人減らした。構造改革費用1745億円を計上したことに加え、オートモーティブ事業の非連結化や車載電池の製造不具合への対応費用も重なり、純利益は前期比48.2%減の1895億円にとどまった。
改革は人員削減にとどまらない。車載機器を手掛けるパナソニック オートモーティブシステムズをファンドに譲渡し、住宅設備子会社の株式の80%をYKKに売却した。テレビ事業では、欧米での販売を中国家電大手の創維集団(スカイワース)に移管。キッチン家電でも量産開発の中国シフトを進めるなど、車載機器や低採算の家電・住宅関連事業に相次いでメスを入れた。
その一方で、次の成長軸に据えるのがAIインフラだ。パナソニックHDは、データセンター向けのバックアップ電池で圧倒的な世界シェアを持っている。電気自動車(EV)向け車載電池の生産能力の一部をデータセンター向けに振り向けるほか、生成AIサーバーに使われるコンデンサーや多層基板材料の供給能力も増強する。28年度までの3年間にAIインフラ関連へ約5000億円を投じ、同年度の売上高を1兆3800億円まで拡大する計画だ。
27年3月期は、純利益が前期の2.2倍となる4200億円に回復する見通しだ。ただし、構造改革による増益効果だけで前期比1000億円を見込んでおり、収益改善はリストラの反動も大きい。過去にも車載電池や空質空調などの重点投資領域が、全社の成長をけん引し切れなかった。AIインフラを一過性の追い風ではなく、40年続く停滞を打ち破る恒常的な稼ぎ頭にできるかが、復活の成否を分ける。
もっとも、足元の業績や市場評価が改善しても、社員の処遇が世代横並びで良くなるとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」によって、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。
今回はパナソニックHDを取り上げる。同社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか。ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内ランク」の推移を独自に試算した。
対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60~70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。
試算の結果、パナソニックHDでは若手の社員が勝ち組となった。一方、OB世代は劣勢に立たされ、現役世代の中でも中堅層が相対的に割を食う構図となった。次ページでその詳細を確認しよう。







