「フッ素」や「塩素」といった見慣れた元素名が、イオンや化合物になると「フッ化物」「塩化物」へと姿を変える。一見ややこしく思えるこの呼び名だが、実は世界共通の「命名法」という厳密なルールに基づいている。『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの化学』から化学物質のシンプルな名付けの仕組みを解き明かす。
Photo: Adobe Stock
物質の命名法
化学物質の名称は、科学者の定めた命名法に従って決められる。
命名法 化合物を名付けるための規則
イオン化合物の命名法
イオン化合物は、陽イオンと陰イオンが結合することで形成される。
単原子イオンはその元素の名称から命名される。
単原子イオン 原子1個からなるイオン
単原子イオンの命名規則
陽イオン:元素名の後ろに“イオン”を付ける。

陰イオン:元素名に“素”が付いていたら“素”を取り去って(硫黄では“黄”を取り去って)、“化物イオン”を付ける。

一部の遷移元素は複数の酸化状態を取るため、2種類以上のイオンを形成することがある。
この場合は、陽イオンの名称に続いて、括弧内に正電荷の値をローマ数字(I, II, III,…)で書く。
これをストック方式という。
単原子イオンの化学式には元素記号と電荷を書く。
ローマ数字は正電荷の値と一致させる。

*鉛とスズは遷移元素ではないが、2種類以上の陽イオンを形成するため、正電荷の値をローマ数字で書く。
古い方式では、もっとも酸化数の低い陽イオンから順番に“第一”、“第二”、“第三”を、陽イオンの名称の前に付ける。

2種類の元素が化合すると二元(にげん)化合物が生成する。
金属元素の陽イオンと非金属元素の陰イオンがイオン結合している場合、
・先に非金属陰イオンの名称を、後に金属陽イオンの名称を書く。
・陰イオンの名称から“物イオン”を取り去る。
・陽イオンの名称から“イオン”を取り去る。
・先に非金属陰イオンの名称を、後に金属陽イオンの名称を書く。
・陰イオンの名称から“物イオン”を取り去る。
・陽イオンの名称から“イオン”を取り去る。





