過酷な大旱魃によって古代文明が崩壊した瞬間から始まった、現代の地質時代「メガラヤン期」。かつて獲物を追って移動していた人類は、農耕の獲得によって定住を果たし、やがて19世紀に世界を劇的に変容させる大転換期を迎える。そんな現代の地質時代を『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの生物学』から紐解く。(ダイヤモンド編集局)

エジプトの画像。Photo: Adobe Stock

文明崩壊の大旱魃と狩猟採集からの脱却

メガラヤン期とは現代の地質時代のことで、この時代には人類が気候や環境に圧倒的な影響をおよぼしている。
メガラヤン期の始まりは、エジプト・ギリシア・メソポタミアなど多くの文明を崩壊させた、200年間にわたる旱魃が始まったときとされている。
文明とは、人類の社会や文化の発展における組織単位のことである。
定住する前の人類は、食糧を求めて住処を転々としていた。

文明以前、食糧は狩猟または採集によって得ていた。
人類は、動物が移住する場所や、果実・木の実・食べられる植物のある場所になら、どこにでも移動していた。
しかし作物を栽培したり家畜を育てたりするプロセスである農耕の発達によって人類は定住できるようになり、人口を増やせるようになった。

19世紀の地殻変動…「産業革命」による働き方の激変

3000年間で人類は知識と技術を発展させ、人間社会はどんどん複雑になっていった。
19世紀初め、人類は農耕社会から産業社会へ移行しはじめ、世界が再び劇的な変化を遂げた。

工場が次々に建てられて労働者が集められ、販売するための商品が製造されるようになった。
それまでの社会では、一人ひとりが製品を作ってそれをお金に替えていたが、この変化によって、人々は工場で働くことでお金を稼ぐようになった。
農耕に利用されていた土地は、工場用地に転用されていった。この一連の出来事を産業革命という。

都市集中がもたらした劣悪な環境

産業革命は19世紀に起こった。
工場で商品が製造されるようになり、人々は仕事を求めて郊外から大都市へ移り住むようになった。

産業革命の頃の生活環境は劣悪だった。
工場労働者の多くが子どもで、危険な機械の操作によって怪我をすることも多かった。
また、工場によって広い土地が占められたため、都市の人口密度が上がり、人から人へ病気が伝染しやすくなった。
しかし19世紀後半になると各国が、公衆衛生・児童労働禁止・環境保護のための法律や基準を制定しはじめた。