ノーベル賞の登竜門・ラスカー賞受賞で話題! 睡眠学の世界的権威・柳沢正史教授が、最新研究をもとにやさしく解説した著書『世界最高の睡眠学が教える 睡眠の正解』が話題です。巷にあふれる睡眠の常識・思い込みの真偽を解き明かしつつ、「眠れない」「起きられない」「寝ても疲れがとれない」といった悩みの解消法を提唱します。あなたが本来の自分を取り戻し、よりよい明日を迎える睡眠のヒントをお届けします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・中村直子)
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なぜ自称ショートスリーパーが量産されるのか
真のショートスリーパーがこれほどわずかな存在であるにもかかわらず、なぜ世の中には自称ショートスリーパーが多いのでしょうか。
それは単に、睡眠不足の状態に慣れてしまっているからだと私は考えています。
人間は無理をすれば、睡眠時間を削っても案外動けてしまうものです。4時間睡眠だったけれど仕事はこなせた、毎日5時間しか寝ていないけれどなんとか回っている……。そうやって乗りきった経験が積み重なり、いつしか「自分はこれくらいの睡眠時間でも大丈夫な体質だ」「自分はショートスリーパーなのだ」という誤った確信が生まれます。
本人はうまくやれているつもりでも、現実は大きく異なります。
以前よりもイライラしやすくなっている、集中力が続かない、ちょっとしたミスが増えて判断が鈍っている……。そうやってパフォーマンスは確実に落ちています。
睡眠が足りていないことによる悪影響は出ているのに、当の本人がそれにまったく気づいていない。これは典型的な“無自覚の睡眠不足”です。
ナポレオンは、なんちゃってショートスリーパーだった
「歴史上の偉人にはショートスリーパーがいた」という話もよく耳にします。
その代表格として名前が挙がるのが、ナポレオンです。彼には、1日3時間しか眠らなかったという有名な伝説が残っています。
しかし、残された資料を詳しく調べてみると、どうやら彼は日中に頻繁に居眠りをしていたようです。移動の馬上でも重要な会議中でも、すきあらばうとうとしていたと。つまり、ナポレオンは真のショートスリーパーなどではなく、日中に小刻みに寝ることでなんとか眠気をごまかしていた“なんちゃってショートスリーパー”だった可能性が高いのです。
もし彼が本当に1日3時間しか寝ていなければ、つねにパフォーマンスは最悪の状態で、あれほど歴史に残る業績は果たせなかったはずです。








