自分に自信を持つことは、仕事でも人生でも大切だ。新しいことに挑戦するとき、「自分ならできる」と思えるからこそ、一歩を踏み出せる。しかし、自信があることと、自信過剰であることは、似ているようでまったく違う。自信があるからこそ成功する人もいれば、自分を信じすぎた結果、大きな失敗をしてしまう人もいる。その違いは、いったいどこにあるのだろうか。『すべて本能のせい』から解説する。(ダイヤモンド社書籍編集局)
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自信があるのに、なぜ失敗してしまう人がいるのか?
仕事で新しいプロジェクトを任されたとき。
転職や起業など、人生の大きな決断をするとき。
私たちは、先の見えない状況で判断を迫られることがある。
そんなとき、「自分には無理だ」と考えてばかりいては、なかなか行動に移せないだろう。
ある程度の自信を持つことは、新しいことに挑戦するうえで欠かせない。
しかし、その自信が裏目に出ることもある。
「自分なら絶対に成功できる」
「これまでうまくいってきたのだから、今回も大丈夫だ」
そう考えていたのに、思いがけない失敗をしてしまうこともあるだろう。
では、挑戦を後押しする「自信」と、判断を誤らせる「過信」は、何が違うのだろうか。
「自信」と「過信」の決定的な違いとは?
その違いと過信の失敗について『すべて本能のせい』では下記のように説明している。
もちろん、自信を持つことそのものは必要なことです。
むしろ研究でも起業でも、新しい挑戦をするときには「自分ならできるかもしれない」と信じる力がなければ、一歩を踏み出すことすらできません。
ただし、自信と過信は違います。
自信とは、リスクがあることを理解したうえで、それでも挑戦することです。
一方で過信とは、リスクそのものを見なくなることだと思っています。
新規事業や研究開発では、未来を正確に予測することはできません。失敗する可能性もありますし、想定外の問題が起こることもあります。
それでも挑戦する価値があると判断すれば前に進みます。
しかし、「自分だけは失敗しない」「きっとうまくいく」と考え始めた瞬間に危険が始まります。(中略)
もちろん、最終的に判断するのは自分です。
しかし、自分の考えを補強してくれる意見だけでなく、自分が聞きたくない意見にも耳を傾けることで、過信による失敗を減らすことができます。
「自分なら大丈夫」と思ったときこそ、注意が必要
自信と過信の違いは、リスクをきちんと見ているかどうかにある。
たとえば、新しい仕事に挑戦するとき、「失敗する可能性はあるけれど、それでもやってみよう」と考えるのは自信だ。
一方、「自分なら絶対に失敗しない」と考え、問題が起こる可能性を無視してしまうのは過信といえる。
どちらも自分の能力を信じているという点では似ている。
しかし、失敗する可能性を認めているかどうかで、その後の判断は大きく変わってくる。
特に注意したいのは、これまで成功を重ねてきた人ほど、自分の判断を疑う機会が少なくなる場合があることだ。
過去の成功体験は、自信を持つための大切な材料になる。
ただ、それだけを根拠に「今回もきっとうまくいく」と考えてしまえば、目の前のリスクを見落とすことにつながりかねない。
自分を信じることと、自分の判断が必ず正しいと思い込むことは、同じではないのだ。
「聞きたくない意見」に耳を傾けられるか
では、過信による失敗を防ぐためには、どうすればいいのだろうか。
そのヒントとして著者が挙げているのが、自分とは異なる立場の人の意見を聞くことだ。
私たちは、自分の考えに賛成してくれる意見を聞くと安心する。
一方、反対意見や厳しい指摘を受けると、つい否定したくなることもあるだろう。
しかし、自分と違う視点に触れることで、それまで見えていなかった問題点に気づけることがある。
大切なのは、反対意見に必ず従うことではない。
自分の考えを持ちながらも、それが間違っている可能性を認め、必要な情報を集めることだ。
本当に自信を持って挑戦するためには、自分の判断を疑う余地も残しておく必要がある。
自信がある人と、自信過剰な人。
その違いは、能力の高さや経験の豊富さだけではなく、リスクや異なる意見にどう向き合うかという姿勢にも表れるのかもしれない。



