ウォール街は今週、AI関連の新興企業銘柄を売りたたいた。ウォール街は今週、AI関連の新興企業銘柄を売りたたいた。
PHOTO: JASON HENRY FOR WSJ

 借り入れコストの上昇を見据える投資家らは、世界規模のデータセンター建設を担う企業群は影響を受けないとの見方から、AI関連銘柄への投資を積み増してきた。しかし例外もある。その筆頭が人工知能(AI)向けクラウドサービスのコアウィーブだ。

 米半導体大手エヌビディアが出資するコアウィーブは、AIトレードの中でも特にリスクが高くてレバレッジの利いた一角の「風向計」となっている。同社は今週、竜巻に見舞われた。

 15日に市場のセンチメントが冷え込み、半導体メーカーなどのAIブーム関連企業にも動揺が広がる中、エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)がコアウィーブに言及した。同氏はブルームバーグのイベントで「コアウィーブの強さは日に日に増している」と述べ、「楽観している」と語った。

 この発言は、AI企業の収益性に対する懸念の再燃と、高金利が長期化することを示唆する高インフレ指標をきっかけに起きたコアウィーブ債の急落と対照的だった。同社株も急落しており、15日には一時、週初来で28%下落する場面もあった。

 しかしフアン氏の発言が反発のきっかけとなり、コアウィーブ株は6%上昇して取引を終えた。米国債相場の上昇も追い風となり、今月になって20年ぶりの高水準に達していた指標金利を押し下げた。

 今回の一連の混乱は、AI市場の一部がいかに借り入れコストの変化に敏感であるかを浮き彫りにした。マイクロソフトやアルファベットといった資金潤沢なハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)はこれまでのところ大きな影響を受けていない。

 投資家は高金利の長期化について、財務基盤の弱い限界的な借り手に対する実質的な税金と捉えており、「AIトレードにおける限界的な借り手とは、質の高いハイパースケーラーでないすべての企業を指す」と、アライアンス・バーンスタインのハイイールド・ポートフォリオマネジャー、アリ・ベンダルカウィ氏は述べた。

 かつて暗号資産(仮想通貨)採掘業者だったコアウィーブは2025年に株式を公開した。AIモデルの訓練・運用向けに高性能半導体を貸し出すことで、ハイパースケーラーと競合しながらもハイパースケーラーにサービスも提供する新興企業群の一角を占める。大手テック企業のような規模や収益性を持たないこれらの新興企業は、事業拡大を負債に大きく依存してきた。