毎日遅くまで働いているのに、なかなか仕事が終わらない。人一倍丁寧に取り組んでいるはずなのに、思うように評価されない。そんな経験はないだろうか。実は、仕事に時間をかけることと、成果を出すことは必ずしも同じではない。『仕事・人間関係で損する人、得する人』(伊庭正康著)をもとに、元・幹部自衛官で現役会社員の人気インフルエンサー・わびさんに、仕事で損をしないための考え方を聞いた。

仕事が遅い人がやっていること・ワースト1Photo: Adobe Stock

ワースト1:必要以上に仕事に時間をかける

――『仕事・人間関係で損する人、得する人』を読んで、とくに共感した考え方はありますか。

わび:本書にある「損する人は『できる』からやる。得する人は『リターン』があるからやる」という考え方ですね。

これは、私が日頃から感じていたことを上手く言葉にしてくれていると思いました。

現在、私は外資系企業で管理職として働いています。立場上、いろいろな人の仕事ぶりを見る機会がありますが、同じように働いていても、成果を出せる人と、なかなか成果につながらない人がいるんです。

――具体的には、どのような違いがあるのでしょうか。

わび:私の部署に、I君という社員がいます。彼はとても真面目なのですが、残業が多かったため、以前、業務量を減らしたことがありました。

当然、仕事が減れば残業も減ると思いますよね。ところが、結果はまったく変わらなかったんです。

なぜかというと、残った仕事を以前よりも丁寧に仕上げるようになったからです。

――仕事を減らしても、その分、一つひとつに時間をかけてしまったのですね。

わび:そうなんです。本書でも紹介されている「パーキンソンの第一法則」が、まさに当てはまると思いました。

これは、「仕事量は与えられた時間を満たすまで膨らんでしまう」という法則です。

私の経験では、日本人にはこの傾向が強いように感じます。

ムダに時間と体力を削っていないか?

――わびさんご自身にも、同じような経験はありますか。

わび:あります。私も昔は、必要以上に丁寧な仕事をしていました。

細かいところまで完璧に仕上げようとして、残業を重ね、心身をすり減らしていた時期があったんです。

でも、どれだけ時間をかけても、それが成果につながらなければ、必ずしも評価されるわけではありません。

むしろ、自分の時間と体力を削ってしまうだけなんですよね。

どこに力を注げば成果につながるかを考える

――では、仕事で損をしないためには、何を意識すればよいのでしょうか。

わび:本書にも書かれているように、「投資対効果」の視点で判断することが大切です。

仕事には、時間をかけるべき部分と、そこまで時間をかけなくてもよい部分があります。

すべてを100点にしようとするのではなく、どこに力を注げば成果につながるのかを考える。

丁寧に仕事をすること自体は悪くありません。ただ、丁寧さが目的になってしまうと、本来の成果を見失ってしまいます。

限られた時間とエネルギーをどう使うか。

その視点を持つことが、仕事でも人生でも得をするために必要なのだと思います。

わび
とある外資系企業で危機管理屋として働く会社員
大学卒業後、陸上自衛隊幹部候補生学校に入隊。主に師団司令部、方面総監部などに勤務し、入隊後10年間は順風満帆だったが、早朝から深夜までの激務と上司によるパワハラが重なりメンタルダウン。陸上自衛隊小平学校の教官を経て退職し、現在は会社員として働く傍ら作家としても活動している。
自衛隊などで培われたスキルや、自らがうつ病で苦しんだ経験から身につけたメンタルコントロール術、仕事や人間関係に対する向き合い方を中心にXで発信を開始し、人気を博す。Xのフォロワー数は20万人を超える(2026年9月時点)。
著書に『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』(ダイヤモンド社)など。『ともしびワークデイズ』(幻冬舎コミックス)では、原案を担当。最新作は『こうやって「考えすぎ」を終わらせる』(アスコム)。