職場で仕事の進め方や周りの対応に疑問を感じても、どこまで自分の考えを口にするべきか迷うことはある。気になったことを伝えれば、たとえ改善のための意見でも、批判や不満と受け取られるかもしれない。一方で、何も言わなければ、問題がそのままになってしまう。では、職場で課題に気づいたとき、どのような伝え方をすればいいのか。『仕事・人間関係で損する人、得する人』の著者・伊庭正康氏に、批評で終わらないための考え方を聞いた。(構成/照宮遼子、ダイヤモンド社書籍編集局)
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問題点を指摘すること自体は悪くない
――職場で気になることがあっても、批判していると思われそうで言いづらくなる人もいます。問題点を指摘することについて、伊庭さんはどのように考えていますか。
伊庭正康(以下、伊庭):仕事をしていれば、企画に問題があったり、ほかの部署の対応が遅いと感じたりする場面はあります。そうした問題に気づくことは大切ですし、それを指摘すること自体が悪いわけではありません。
――気になった点を伝えることまでためらう必要はないんですね。
伊庭:はい。ただ、問題点を挙げただけで終わってしまうと、批判や文句に見えてしまいます。そこから先をどう考えるかが大事なんですよね。
問題に気づいたら、次にどうするかを考える
――批判で終わらないためには、どのような姿勢が必要なのでしょうか。
伊庭:私は研修で、「フォロワーシップ」というスキルについて伝えています。職場や業務に問題があったときに、上司に必要な提案をして、自分も率先して動いていく。いわば、チームの参謀として動く力のことですね。
――実際に問題を指摘するときは、どのように伝えればいいですか。
伊庭:問題を伝えたら、その次は自分たちがどうするのかまで考えます。そこで使いやすいのが、「だからこそ、私たちはこうするべきです」という言い方です。問題点だけを挙げるのではなく、「次に取る行動まで示す」わけです。
批評で終わらず、自分の役割を見つける
――では、提案するときは、どんなことに気をつければいいでしょうか。
伊庭:「私たちはこうするべきです」と言っただけでは、結局、誰かに動いてもらう話になってしまうことがあります。提案するだけで終わらず、「自分はその中で何ができるのか、どんな役割を担えるのか」まで考えることが大切です。
――周りに求めるだけでなく、自分の役割も考えるんですね。
伊庭:そうです。問題を指摘するだけでなく、たとえば、「私がこう動くのはどうでしょうか」と、自分が担える役割や具体策まで提案します。周りに行動を求めるだけではなく、自分が何をするのかも具体的な形で示すんです。
「参謀」として認知されるようになる
――こうした伝え方を習慣にすると、仕事への関わり方はどう変わるのでしょうか。
伊庭:問題を指摘するだけでなく、必要な提案をして、自分も率先して動く。そうした姿勢を仕事の中で積み重ねることで、批評するだけの人ではなく、チームを前に進める参謀としてのフォロワーシップを高めていけるんです。
――チームを前に進める側に回ることが大切なんですね。
伊庭:そうですね。『仕事・人間関係で損する人、得する人』でも、仕事や人間関係の中で起こりやすいさまざまな考え方や行動の違いを取り上げています。問題に気づく力を、批評で終わらせるのではなく、チームのために生かせるかどうか。そこに、仕事への向き合い方の違いが表れるのです。








