相手のことをもう少し知りたいと思っても、どこまで聞いてよいのか迷うことはある。関心を持って尋ねたことでも、相手によっては答えづらい話題かもしれない。仕事でもプライベートでも、会話を続けながら距離を縮めていくには、その見極めが意外と難しいものだ。『仕事・人間関係で損する人、得する人』の著者・伊庭正康氏に、うまくいく会話のコツを聞いた。(構成/照宮遼子、ダイヤモンド社書籍編集局)

なぜか嫌われる人の会話・ワースト1Photo: Adobe Stock

人間関係には、五つの段階がある

――著書では、「うまくいく会話は自分3割、相手7割」とあります。ただ、実際に相手に話してもらおうとすると、どこまで聞いていいのか迷ってしまうこともあります。

伊庭正康(以下、伊庭):私は、人間関係を「警戒」「安心」「親しみ」「信用」「信頼」という五つの段階で考えています。相手との関係が今どこにあるのかをイメージしながら、どこまで話題に踏み込むかを調整しています。

――まず、相手との関係を見たうえで、話題を選ぶわけですね。

伊庭:そうですね。同じことを聞いても、まだ警戒されている相手と、すでに信頼関係がある相手では受け取られ方が違います。ですから、相手にたくさん話してもらうことだけを考えるのではなく、「今どの段階にいるのか」を意識するようにしています。

ワースト1:親しくなる前にプライベートなことを聞く

――最初の「警戒」や「安心」の段階では、具体的にどんなことに気をつけていますか。

伊庭:まだ相手が、この人はどんな人だろうと様子を見ているときに、住んでいる場所や家族のこと、休日の過ごし方などを詳しく聞けば、「この人、プライベートのことまですごい踏み込んでくるな」と感じることがあります。

そういう段階では、仕事に関するちょっとした話題など、相手が気軽に答えられる、他愛のない話から始めます。

――この段階では、会話を深めることより、安心して話せることが先なんですね。

伊庭:はい。まだ関係ができていないうちは、無理に深い話まで入っていく必要はありません。会話を重ねながら、安心して話せる関係をつくっていくことが先です。