毎日一生懸命働いているのに、仕事が終わらない。頼まれたことは断れず、気づけば自分ばかり忙しくなっている。そんな経験はないだろうか。一方で、いつも余裕があり、効率よく成果を出している人もいる。実は、仕事ができる人ほど、すべてを自分でやろうとはしないという。真面目にがんばる人が見落としがちな仕事のコツとは? 『仕事・人間関係で損する人、得する人』(伊庭正康著)をもとに、ライター・清家茂樹氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
Photo: Adobe Stock
ワースト1:仕事をひとりで抱え込むと、仕事はどんどん増えていく
仕事では、「真面目に頑張ること」が美徳とされる。
頼まれたことは丁寧にやる。手を抜かない。自分にできることなら人に任せず自分でやる。
もちろん、それが必要な場面もある。ただ、なんでも自分で抱え込んでしまえば、仕事はいくらでも増えていくだけだ。
得する人は「横着」する
著者は、そんな仕事の進め方について、こんな見方を示している。
――『仕事・人間関係で損する人、得する人』より
「横着」というと、あまりいいイメージはない言葉だ。
けれど、著者がいう横着とは、単に仕事をサボることではない。
自分がやらなくてもいいことまで抱え込まず、どうすれば効率よく仕事を進められるかを考えることだ。
生産性向上は、長きにわたって日本のビジネスシーンにおける最大の課題だとされている。
「人に任せる」ようになったら仕事がラクになった
わたし自身、以前は「自分でやったほうが早い」と考えがちだった。
会社員時代、後輩に仕事を教える立場になると、細かなところまで「こうしたほうがいい」と口を出したくなったものだ。
でも、それを続けていたら、いつまでたっても自分の仕事は減らない。後輩も、自分で考えて仕事をし、成長する機会を失ってしまう。
そこで、大きな方向性さえ合っていれば、あとは任せるようになった。
最初から自分の正解に誘導するのではなく、本人に考えてもらう。
もちろん、必要なところは修正するが、後輩は自分で考えて仕事をするようになるし、わたし自身も細かなことに時間を取られなくなった。
限られた時間と労力をどこに投下するのか決める
もうひとつ、近年の仕事で「横着してよかった」と感じるのが、ライターに不可欠の作業である文字起こしだ。
数年前までは、自分で取材音声を聞きながら文字に起こしていた。
いくら慣れているといっても、それなりの時間を使う作業だ。
それがいまは、文字起こしツールに任せている。
もちろん、それをそのまま原稿に使うわけではなく、聞き直しながら誤りを修正し、「これなら読者に伝わりやすい」という最終的な原稿のかたちにする必要はある。
それでも、文字起こしという作業のすべてを自分でやる必要はなくなった。
大事なのは、「どこまで自分でやるかを考えること」だろう。
いい意味で「楽する方法」を探す
自分でやるべき仕事もある。
一方で、人やツールに任せてもいい作業もある。
むしろ、その分だけ自分にしかできない仕事に時間を使える。
「真面目」という言葉には、「全部自分でやる」「一切手を抜かない」といった意味まで含まれているように思う。
でも、本当に大切なのは、すべてを自分で抱えることではない。
どうすれば、限られた時間と労力を本当に重要なところに使えるのか。
そう考えて、いい意味で楽をする方法を探す「横着」こそ、生産性向上の最大の鍵かもしれない。








