完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろAIPhoto: Adobe Stock

見た目は整っていても出せない

 部下からの相談に答え、会議を終え、ようやく自分の資料を作る時間ができた。締め切りは明日。少しでも時間を短縮しようと、AIに構成案やスライドを作ってもらう。

 確かに、白紙だった画面は埋まります。見出しも説明文も揃っている。けれど、読み返すと何かが違う。

「この提案で、上司は納得するだろうか」
「現場の負担を考えると、本当に実行できるのか」
「そもそも、今回は何を優先すべきなのか」

 直してほしい点をAIに伝える。また案が返ってくる。何度か繰り返しているうちに、文章は整ったのに、肝心の結論が決まっていないことに気づく。

 たくさんの業務に追われている人ほど、そんな経験はないでしょうか。

 上司が求める成果も、部下の抱える事情も見えている。だからこそ、見栄えのいい資料ができただけでは、そのまま出せないのです。

 そこで考えたいのが、「難しさの種類」です。

「正しい答え」を探し続けてしまう

 難しさには、「資料を形にする難しさ」と「何を提案するかを決める難しさ」という2種類があります。

 料理にたとえると、前者はレシピに沿って作る難しさ、後者は何を作るかを決める難しさでしょうか。

 手順や分量が決まっていれば、わからないところを調べながら進められます。一方、目の前の食材、お客さんの好み、季節、予算を踏まえて献立を決めるときは、条件によって答えが変わります。

 仕事も同じです。資料の体裁を整える方法は調べられても、「今回、何を優先して提案するか」は、関係者の事情を踏まえて判断しなければなりません。

 ですが、例えば新規事業の戦略を考えるときは、たった1枚の企画書でも手が止まることがあるでしょう。書く量が少なくても、決めることは簡単ではないからです。

 ここで「どこかに正しい答えがあるはずだ」と探し続けると、案や情報ばかりが増えていきます。

 その場合は、AIを使うときも、完成された正解を求め続けるより、判断するための叩き台を出してもらう方が役立つことがあります。

AIの案に「これじゃない」と思ったところから始める

 私はよく、いきなりスライドを作らず、AIに「施策案の骨子」を5案出させることがあります。

 最初に出てきた案は、陳腐なものでした。でも、それらを見て「数字の比較が薄い」という欠点に気づけた。その瞬間、自分が集めるべき指標が明確になりました。

 白紙の画面に向かうと、「最初から正しいものを書かなければ」と身構えてしまうことがあると思います。ところが、粗い案があれば、「ここは違う」「この比較が足りない」と考えられます。

 このように、「ゼロから作る」より「ダメなものを直す」方が圧倒的に楽なのです。

 AIに担ってもらうのは、「ツッコミの的」を提供する役割です。粗い提案にツッコミを入れること自体が、手を動かす導火線になりました。

 ぜひ、AIに完成案を作らせるのではなく、粗い骨子を出してもらってみてください。

 それを見て「何が違うか」「何が足りないか」を認識できたとき、ゴールが近づくはずです。